満足(読み)まんぞく

精選版 日本国語大辞典 「満足」の意味・読み・例文・類語

まん‐ぞく【満足】

〘名〙 (形動) (「まんそく」とも)
① 希望が満ち足りて不平がなくなること。また、そのさま。
御堂関白記‐寛弘元年(1004)一一月二日「心中願已満足」
※幼学読本(1887)〈西邨貞〉五「獅子は其の飢ゑたる腹を十分に満たせば、其れにて満足すれども、虎は決して満足すること無し」
② 十分であると感じること。完全または、無欠であること。欠けるところがないこと。また、そのさま。
平家(13C前)三「但、官位といひ俸祿といひ、御身にとっては悉く満足す」
※男ごころ(1893)〈尾崎紅葉〉八「諸道具何一つ満足(マンソク)なるは無く」 〔南斉書‐張敬児伝〕
③ 定員が充足すること。
※大会日記(1511)「已上六口。当年堅義満足」
数学で、ある対象が与えられた条件にかなっていること。ある数が、与えられた方程式や不等式の解であること。
※零の発見(1939)〈吉田洋一直線を切る「二乗が2より大きいやうな、即ち不等式 x2>2 を満足するやうなすべての正の整数または分数x」
まんぞく‐げ
〘形動〙

みち‐た・りる【満足】

〘自ラ上一〙 ゆきわたって十分である。また、不足・不満がなく充実している。
搦手から(1915)〈長谷川如是閑〉殿さまお目ざめ「営養の充ち足りた艷々(つやつや)とした皮膚
若い人(1933‐37)〈石坂洋次郎〉上「楽しい満ち足りた気持なのだ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「満足」の意味・読み・例文・類語

まん‐ぞく【満足】

[名・形動](スル)
心にかなって不平不満のないこと。心が満ち足りること。また、そのさま。「満足な(の)ようす」「今の生活満足している」
十分であること。申し分のないこと。また、そのさま。「満足な答え」「料理満足にできない」
数学で、ある条件を満たしていること。
[派生]まんぞくげ[形動]まんぞくさ[名]
[類語](1満悦充足飽満自足自得会心・充足感・充実感・自己満足本望堪能十全嬉しい楽しい面白い喜ばしい喜び愉快痛快結構喜悦有頂天納得慊焉けんえん三平思わしい上機嫌ご機嫌おんの字足りる足る舞い上がる満たす気を良くする溜飲りゅういんを下げる言うことなし気に意に適ううきうきうはうはわくわくいそいそ(―する)満ち足りる心行く堪能かんのうする満喫する安住する・安んずる甘んずる十分

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「満足」の読み・字形・画数・意味

【満足】まんぞく

得心する。

字通「満」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android