日本大百科全書(ニッポニカ) 「満礬ざくろ石」の意味・わかりやすい解説
満礬ざくろ石
まんばんざくろいし
spessartine
ざくろ石の一種で、マンガンとアルミニウムを主成分とする鉱物。十二面体、二十四面体を主とする結晶のほか、粒状や塊状を呈する。マンガン鉱床から石英、ばら輝石、テフロ石などに伴って産するものは、理想化学組成に近い。日本の変成層状マンガン鉱床からはきわめて普通に産する。マンガン鉱物をほとんど伴わない花崗(かこう)岩ペグマタイト、デイサイト、結晶片岩中から産するものは一般に鉄に富み、鉄礬ざくろ石との中間組成をもつことが多い。英名は原産地、ドイツ・バイエルン州北西部にある山地シュペッサルトSpessartにちなむ。和名は化学組成による。
[松原 聰]
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