精選版 日本国語大辞典 「湯」の意味・読み・例文・類語
ゆ【湯】
〘名〙
① 水を沸かして熱くしたもの。熱くなった水。
※万葉(8C後)一六・三八二四「さし鍋に湯(ゆ)沸かせ子ども櫟津(いちひつ)の檜橋より来む狐に浴むさむ」
② ①のうち、特に入浴に用いるもの。また、入浴することや入浴する所。ゆあみ。湯殿。また、銭湯。
※蜻蛉(974頃)中「ゆのこといそがして、道にのぼりぬ」
③ 温泉。いでゆ。
※古事記(712)下(兼永本訓)「其の軽(かるの)太子は、伊余の湯(ユ)に流(なか)す」
④ 薬湯(くすりゆ)。薬風呂。
※本居本宇津保(970‐999頃)蔵開下「つとめて御ゆ参るとておはする程に」
⑤ せんじ薬。薬湯(やくとう)。
※宇津保(970‐999頃)国譲下「いと御腹高くて、息づき臥し給へり〈略〉かき起こして、ゆまゐり給ふを」
⑥ 船中に浸み入ってたまった水をいう、忌みことば。あか。ふなゆ。
※拾遺(1005‐07頃か)雑下・五七一「浪ぢにいたく 行き通ひ ゆも取りあへず なりにける 舟の我れをし〈源順〉」
⑦ 鋳造するために熱して溶かした金属。
⑧ 小便。ゆばり。
とう タウ【湯】
[1] 〘名〙 「はんにゃとう(般若湯)」の略。
※蔭凉軒日録‐長享二年(1488)七月一四日「愚云、去々年始有レ湯。一衆皆歓二喜之一。去年亦同前」
[2] 殷(いん)の湯王。
よ【湯】
〘名〙 「ゆ(湯)」の変化した語。
※滑稽本・旧観帖(1805‐09)初「下の青すべたら湯(ヨ)をふとつもらいませうよ」
ぶう【湯】
〘名〙 湯または茶をいう幼児語。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)三「湯(ブウ)が目へ這入た」
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