日本大百科全書(ニッポニカ) 「湯本温泉(神奈川県)」の意味・わかりやすい解説
湯本温泉(神奈川県)
ゆもとおんせん
神奈川県足柄下(あしがらしも)郡箱根町(はこねまち)にあり、箱根温泉郷の表玄関。冬も温暖で、箱根でもっともにぎわう。早川と須雲(すぐも)川の合流点にあたり、奈良時代末の発見といわれる箱根最古の温泉。江戸時代には東海道を上下する旅人の「一晩湯治(とうじ)」で知られていた。箱根火山の基盤岩から湧(わ)き出し、硫酸塩泉と高温の塩化物泉の混合型。早雲寺(そううんじ)は小田原北条氏の菩提寺(ぼだいじ)で、北条五代の墓があり、絹本淡彩北条早雲像と織物張文台および硯箱(すずりばこ)は国指定重要文化財。豊臣(とよとみ)秀吉は小田原攻めのときこの寺を本陣とした。正眼寺(しょうげんじ)には曽我(そが)兄弟を供養した曽我堂がある。箱根細工が特産。箱根登山鉄道箱根湯本駅下車。
[浅香幸雄]