日本大百科全書(ニッポニカ) 「湯島(東京都)」の意味・わかりやすい解説
湯島(東京都)
ゆしま
東京都文京区南東端の地区。山手(やまのて)台地の一つ本郷台地の南端(湯島台地)にあたり、侵食谷が入り込んで島の形状を示すことが地名の由来という。東・南方の低地に臨むところに無縁坂、切通(きりどおし)坂、三組(みくみ)坂、湯島坂、新妻恋(しんつまこい)坂など坂が多い。南端に湯島聖堂、東京医科歯科大学がある。切通坂(春日(かすが)通り)には新派の戯曲『婦系図(おんなけいず)』で知られる湯島天神、本郷寄りに春日局(かすがのつぼね)の墓のある麟祥(りんしょう)院があり、同院の裏手のほうにある無縁坂は、森鴎外(おうがい)の『雁(がん)』の舞台となった。住宅のほか医療・理化学用機械の店が多い。東京地下鉄丸ノ内・千代田の各線が通る。
[沢田 清]
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