湧水(町)(読み)ゆうすい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「湧水(町)」の意味・わかりやすい解説

湧水(町)
ゆうすい

鹿児島県北部、姶良郡(あいらぐん)にある町。2005年(平成17)姶良郡栗野町(くりのちょう)、吉松町(よしまつちょう)が合併して成立。栗野岳(1102メートル)などの霧島山系の山々と九州山地の支脈にはさまれた盆地で、北から流れ込んだ川内川(せんだいがわ)は、町の中央で大きく湾曲して西にむかう。日本名水百選にえらばれた丸池(まるいけ)など、湧(わ)き水が多く、町名の由来にもなった。北から東にかけては宮崎県との県境。南は霧島市、西は伊佐(いさ)市とさつま町に接する。JR肥薩線(ひさつせん)が南北に走り、北部の吉松(よしまつ)駅で吉都線(きっとせん)と分岐する。また九州自動車道が縦貫し、南部に栗野インターチェンジがあるほか、川内川に沿って国道268号が走る。米や野菜、花卉(かき)の栽培のほか、畜産が盛ん。とくに霧島山系の山麓には大規模な放牧場がある。栗野岳一帯は霧島錦江湾(きりしまきんこうわん)国立公園の一部で、北側山腹はヒガンザクラの自生南限地、東側山麓はハナショウブの自生南限地(いずれも国指定天然記念物)となっている。面積144.29平方キロメートル(一部境界未定)、人口9119(2020)。

[編集部]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android