湧別(町)(読み)ゆうべつ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「湧別(町)」の意味・わかりやすい解説

湧別(町)
ゆうべつ

北海道東部、オホーツク総合振興局管内の町。1953年(昭和28)町制施行、2009年(平成21)、上湧別町(かみゆうべつちょう)と合併し、新しい湧別町となる。町名の由来はアイヌ語ユウペッ(湯の川の意)、ユベ(サメの意)などの説がある。オホーツク海に面し、北見山地北東麓(ろく)と海岸平野からなり、国道238号、242号が通じる。国鉄湧網線(ゆうもうせん)が通ったが1987年廃止、JR名寄本線(なよろほんせん)は1989年(平成1)廃止、バス転換。湧別川河口の港は鉄道開通までは紋別郡東部一帯の要地で、明治末から大正期にかけてハッカ取引に重要な地位を占めた。昭和初めには大規模な造田が進められたが、現在はサトウダイコンテンサイ)、小麦、アスパラガスなどの寒冷地畑作と多頭飼育による大型酪農が行われる。沿岸漁業のほかサロマ湖ではカキ・ホタテガイ養殖が行われる。サロマ湖西岸にアッケシソウ(サンゴソウ)群落(道指定天然記念物)やサギ沼原生花園、龍宮台展望台があり、町域西部のシブノツナイには擦文(さつもん)期を主とする竪穴(たてあな)住居跡(道指定史跡)がある。サロマ湖は網走国定公園域。面積505.79平方キロメートル(一部境界未定)、人口8270(2020)。

岡本次郎

『『湧別町百年史』(1983・湧別町)』


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