湊川神社(読み)ミナトガワジンジャ

デジタル大辞泉 「湊川神社」の意味・読み・例文・類語

みなとがわ‐じんじゃ〔みなとがは‐〕【湊川神社】

神戸市中央区にある神社祭神楠木正成ほか一族の将士。明治5年(1872)正成の墓のある地に創建

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精選版 日本国語大辞典 「湊川神社」の意味・読み・例文・類語

みなとがわ‐じんじゃ みなとがは‥【湊川神社】

兵庫県神戸市中央区多聞通にある神社。旧別格官幣社。楠木正成ほか一族殉難将士をまつる。明治五年(一八七二創立社地湊川古戦場で楠木正成らの墓所がある。楠公神社。楠公さん。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「湊川神社」の意味・わかりやすい解説

湊川神社
みなとがわじんじゃ

兵庫県神戸市中央区多聞通(たもんどおり)に鎮座。旧別格官幣社。楠木正成(くすのきまさしげ)(大楠公(だいなんこう))を主祭神に、正季(まさすえ)、正行(まさつら)(小楠公)、大楠公夫人以下一族殉難将士の霊を配祀(はいし)する。大楠公に対する尊敬は公の生前中にもみられたが、ことに江戸期の1692年(元禄5)徳川光圀(みつくに)が大楠公討ち死にの地湊川に「嗚呼(ああ)忠臣楠子之墓」と刻んだ墓碑を建てて以来、公を慕う精神は全国に流布した。明治維新なるや、1868年(慶応4、9月改元し明治1)明治天皇は勅令(湊川神社創祀御沙汰書(ごさたしょ))を出し、72年5月24日鎮祭されたのが現在の湊川神社である。例祭7月12日。宝物に大楠公着用と伝える段縅(だんおどし)腹巻一領(国重要文化財)、1335年(建武2)大楠公自筆の法華経(ほけきょう)奥書一幅(重文)などがある。

[平泉隆房]


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改訂新版 世界大百科事典 「湊川神社」の意味・わかりやすい解説

湊川神社 (みなとがわじんじゃ)

神戸市中央区にあり,楠木正成をまつる。1336年(延元1・建武3),正成は九州から攻め上る足利尊氏を迎え撃ち,ここで敗死した。1692年(元禄5)に徳川光圀は,水田の中にあった小さな塚に〈嗚呼忠臣楠子之墓〉と自書した墓碑を建てた。幕末尊王論が高まると,正成顕彰がさかんになり,1872年(明治5),明治政府は湊川神社を創建し別格官幣社に列した。正成の子正行以下16人を配祀する。例祭は7月12日。
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百科事典マイペディア 「湊川神社」の意味・わかりやすい解説

湊川神社【みなとがわじんじゃ】

神戸市中央区多聞通に鎮座。旧別格官幣社。楠木正成をまつる。社地は1336年正成戦死の地。徳川光圀(みつくに)建立の墓碑がある。創建は1872年。例祭は7月12日。ほかに楠公祭(5月25日)がある。
→関連項目神戸[市]中央[区]湊川

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「湊川神社」の意味・わかりやすい解説

湊川神社
みなとがわじんじゃ

兵庫県神戸市中央区多聞通に鎮座する元別格官幣社楠木正成を主神とし,楠木正行,楠木正孝ら一族将士を配祀する。正成没所といわれる地に明治5(1872)年創建された。例祭 7月12日。

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デジタル大辞泉プラス 「湊川神社」の解説

湊川神社

兵庫県神戸市中央区にある神社。1872年創建。祭神は楠木正成(大楠公(だいなんこう))のほか、正行・正季・正茂夫人の楠木一族、菊池武吉卿ら殉難の将士。境内にある楠木正成の墓碑は国指定史跡。地元では「楠公さん」とも呼ばれる。

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世界大百科事典(旧版)内の湊川神社の言及

【国家神道】より

…69年には宣教使がおかれ,翌年には大教宣布の詔が下されて,祭政一致のイデオロギーによる国民教化の方針がいっそう明確にされた。また,東京招魂社(のちの靖国神社),楠社(のちの湊川神社)など新しい神社がつくられ,天長節,神武天皇祭などの祝祭日を定めて,全国的に遥拝式が行われたりした。 神祇官を中心とするこうした諸政策は,神道国教化政策と呼ばれている。…

【別格官幣社】より

…1868年(明治1),神祇官が再興され,71年には新しい官国幣社が定められたが,官幣社は歴代天皇・皇族をまつる神社と皇室の尊崇の厚かった神社,国幣社は延喜の制における国幣社と国土経営上重要な役割を果たした神社が列せられ,官幣社,国幣社ともに大・中・小の社格に分けられた。74年,楠木正成をまつる神戸の湊川(みなとがわ)神社が創建されると,祭神が皇族でも天神地祇でもなかったので,国家のために特に功労のあった人臣をまつる神社を別格官幣社に列する制度を75年に設け,祭祀は官幣小社に準ずることとした。同年,豊臣秀吉をまつる京都の豊国(とよくに)神社と,徳川家康をまつる日光の東照宮が別格官幣社となり,その後,年を追って増加し,1945年までに28社に達した。…

※「湊川神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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