測候所(読み)ソッコウジョ

デジタル大辞泉 「測候所」の意味・読み・例文・類語

そっこう‐じょ〔ソクコウ‐〕【測候所】

気象庁に付属する地方機関。担当地域の気象観測予報業務などを行う。帯広名瀬の2か所。また、新千歳仙台那覇の各空港に航空測候所がある。
[補説]かつて全国に置かれていたが、観測機器の発達や通信技術の向上、また行政改革の方針により、平成22年(2010)までに大部分が無人観測施設である特別地域気象観測所に転換された。

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精選版 日本国語大辞典 「測候所」の意味・読み・例文・類語

そっこう‐じょ ソクコウ‥【測候所】

〘名〙 (「そっこうしょ」とも) 気象庁の地方機関。気象観測をはじめ、火山地震海洋などの観測・通報ほか一部では天気予報気象警報を発することなどを任務とする。
東京日日新聞‐明治一五年(1882)二月二日「今度大坂へ新設せられし測候所は」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「測候所」の意味・わかりやすい解説

測候所
そっこうじょ

気象庁の地方機関の一つで管区気象台などに属している。1日8回の定時地上気象観測(気圧、気温、露点、湿度、風、雲、降水など)や地震観測などを行う。

 全国で100か所以上あったが、1996年(平成8)以降、自動観測が可能な機器の発達や気象レーダーAMeDAS(アメダス)(自動気象観測網)などが整ったことにより、測候所の無人化が進んだ。無人化後は「特別地域気象観測所」として自動観測が続けられている。さらに、2004年(平成16)12月に閣議決定された行政改革の方針により、減量・効率化として測候所の整理合理化が進められたが、無人化によって防災対応力が低下することへの懸念もあり、防災強化等のための増員も行われた。2010年10月までに無人化が困難な帯広測候所と名瀬測候所以外の測候所がすべて無人化され、特別地域気象観測所となった。活動が活発な火山の監視業務や高層気象の観測・監視業務等、特定の測候所がもっていた業務については、現地または近隣の地方気象台等において継続して実施されている。

 また、有人の航空測候所が6か所(新千歳、仙台、大阪、福岡、鹿児島、那覇)ある。航空地方気象台(成田、東京、中部、関西)とともに、航空機の運航を支援する情報等を提供しており、その機能強化が図られている。なお、日本最古の測候所に相当するものは、北海道開拓使が1872年(明治5)に函館(はこだて)に設置した函館気候測量所(函館海洋気象台の前身)で、内務省地理局に東京気象台(気象庁の前身)ができる3年前のことである。

[安田敏明・饒村 曜]

『志崎大策著『富士山測候所物語』(2002・成山堂書店)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「測候所」の意味・わかりやすい解説

測候所
そっこうじょ
weather station

観測した気象資料の通報,報告をおもな業務とする気象庁管区気象台の下部組織。気象観測は測候所によって,毎日 8回,4回の地上観測を行なうほか,測候所の立地条件に応じて高層観測や,地震,火山,検潮などの観測を行なうところが指定されている。また放射能観測やオホーツク海沿岸の海氷観測など特殊な業務もある。測候所の観測結果は集めて整理され,その一部は管区気象台,地方気象台に報告され,予報,警報の資料となっていた。しかし気象衛星気象レーダアメダスウィンダス,計測震度計ネットワークなどが整備されて全国的に気象,地震等の監視能力が飛躍的に向上したため,1994年度末まで全国に 109ヵ所あった測候所は,1995年度から測候所の自動観測システム化による機械化・無人化(特別地域気象観測所への移行)が進められ,2009年度末に 8ヵ所となった。

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百科事典マイペディア 「測候所」の意味・わかりやすい解説

測候所【そっこうじょ】

気象庁に所属する地方機関。気象観測,地震観測等を担当し,付近の地域に天気予報の発表と気象注意報・気象警報等の伝達をする。1996年以降,自動観測システム整備に伴って急速に無人化(特別地域気象観測所への移行)が進み,2013年現在全国で2ヵ所のみ。空港の構内にあって航空気象に関連する業務を担当する航空測候所(6ヵ所)もある。
→関連項目管区気象台

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改訂新版 世界大百科事典 「測候所」の意味・わかりやすい解説

測候所 (そっこうじょ)

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