渡りに船(読み)ワタリニフネ

デジタル大辞泉 「渡りに船」の意味・読み・例文・類語

わたりにふね

必要な物がそろったり、望ましい状態になったりして好都合なこと。「渡りに船の申し出」
[類語]便宜好都合便利利便誂え向きタイムリー有り難いうれしいおんの字重宝ちょうほう有用有益簡便軽便至便もってこい格好頃合ころあ打って付けぴったり好個好適適する適う適える合う沿うそぐう向く似合う似つかわしいふさわしいしっくり当てはまる適合する適当する合致する即応する同調するフィットする程よい絶好願ったり叶ったり願ってもない

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

故事成語を知る辞典 「渡りに船」の解説

渡りに船

必要なものや条件が、たまたま具合よくそろうことのたとえ。

[使用例] 渡りに船とはこのことではないか。この偶然の好機を逃がしてなるものかと、両手を挙げたい気持であった[井伏鱒二黒い雨|1965~66]

[由来] 「法華経やくおうさつほんほん」に出て来る一節から。この経典が人々の救いとなることを、「子の母を得るがごとし、渡りに船を得るが如し、病に医を得るが如し(さみしがっている子ども母親を見つけるようであり、川を渡ろうとしているときに船が見つかるようであり、病気のときに医者が見つかるようだ)」などとたとえています。

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ことわざを知る辞典 「渡りに船」の解説

渡りに船

川を渡ろうとするときに、渡し場に都合よく船がいること。必要なものや望ましい条件がたまたま具合よくそろうことのたとえ。

[使用例] 渡りに船とはこのことではないか。この偶然の好機を逃がしてなるものかと、両手を挙げたい気持ちであった[井伏鱒二*黒い雨|1965~66]

[解説] 「法華経―薬王品」の「子の母を得るは渡りに船を得るが如し」が出典とされます。

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