渋草焼(読み)しぶくさやき

精選版 日本国語大辞典 「渋草焼」の意味・読み・例文・類語

しぶくさ‐やき【渋草焼】

〘名〙 飛騨国大野郡上岡本村渋草岐阜県高山市上岡本町)で焼かれた陶器。天保一三年(一八四二瀬戸陶工戸田柳造が窯を築いたのに始まる。のち九谷の陶工が来て赤絵物を製造飛騨九谷、高山焼とも呼ばれた。明治に再興され、有田から技術を導入して染付け磁器青磁を製造。渋草。

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デジタル大辞泉プラス 「渋草焼」の解説

渋草焼

岐阜県高山市で生産される伝統的な焼物。天保年間に、当時の高山陣屋飛騨郡代の豊田藤之進が、地域産業を発展させる目的で、尾張の陶工、戸田柳造を招き、渋草(現在の高山市上岡本町付近)に半官半民の運営で窯を開かせたのが起源。その後、槍ヶ岳山麓で陶石が発見され、磁器の製造も始まった。岐阜県郷土工芸品に認定されている。

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事典 日本の地域ブランド・名産品 「渋草焼」の解説

渋草焼[陶磁]
しぶくさやき

東海地方、岐阜県の地域ブランド。
高山市で製作されている。1840(天保12)年に、飛騨九谷・飛騨赤絵と呼ばれる陶磁器をつくり始めたのが起源。手づくり・手描きによる伝統が守られ、焼き物表面を飾る染付・赤絵・青磁・白磁鉄砂などの模様は、独特の渋草調。岐阜県郷土工芸品。

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