済崩(読み)なしくずし

精選版 日本国語大辞典 「済崩」の意味・読み・例文・類語

なし‐くずし ‥くづし【済崩】

〘名〙
借金一度に返済しないで、少しずつ返してゆくこと。
政談(1727頃)二「其上は利足を出さず、成し崩しなるべし」
物事を一度にしないで、少しずつすませてゆくこと。少しずつ徐々に行なうこと。
※落語・裏の裡愛妾の肚(1889)〈五代目翁家さん馬〉「一思いにとり殺しては腹がいず、毎晩毎晩ちびりちびりとなしくづしに取殺す」

なし‐くず・す ‥くづす【済崩】

〘他サ四〙
① なしくずしにする。借金を少しずつ返済する。
※俳諧・天満千句(1676)五「四五年きりに霞むかね言〈西花〉 春毎にかならず雪はなしくつし〈素玄〉」
湯島詣(1899)〈泉鏡花三一「ぢみちに稼ぎ稼ぎ借金をなし崩し、凡そ五年ばかりで身脱をした」
② 物事を一度にしないで、少しずつすませてゆく。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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