清風瓶華(読み)せいふうへいか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「清風瓶華」の意味・わかりやすい解説

清風瓶華
せいふうへいか

いけ花における文人生(ぶんじんいけ)の流派。1907年(明治40)ごろ文人趣味が復興し、煎茶(せんちゃ)会などが盛んになったおり、大阪の籠(かご)師早川尚古斎(しょうこさい)の次男松太郎が、書画骨董(こっとう)業から転じ南宗瓶華を創流したが、その弟清次郎(せいじろう)(1863―1919)は1913年(大正2)独立して清風瓶華を創流して尚洞(しょうどう)と号した。2代目家元早川尚洞(1911―97)は第二次世界大戦後の前衛いけ花時代から活躍し、財団法人いけばな芸術協会の副理事長を務めた。南宗瓶華の3代目蒲田松雨(1896―1972)は1938年(昭和13)独立して艸心(そうしん)流をおこしている。現家元早川尚洞(1948― )は3代目。

[北條明直]

『早川尚洞・研一著『清風瓶華 二つの世代の花 いけばなの基本』(1974・主婦の友社)』『日本アートセンター編『日本のいけばな 第9巻 早川尚洞』(1978・小学館)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「清風瓶華」の意味・わかりやすい解説

清風瓶華
せいふうへいか

生け花の流派名。大阪の籠師初代早川尚古斎の子らから文人生の2流が生れた。 1907年頃,次男松雨が推されて南宗瓶華を創流,没後に弟の4男が2代早川松雨を継ぐ。5男尚洞は 13年に別流「清風瓶華」を立て,東京で競い合ったが現在南宗は衰微している。

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