清議(読み)せいぎ

精選版 日本国語大辞典 「清議」の意味・読み・例文・類語

せい‐ぎ【清議】

〘名〙 正しい議論。清く明らかな議論。俗塵をはなれた議論。とくに、中国魏晉のころ流行した、老荘に関する談論
※俳諧・一字般若(1772)「こなたは清義を述たれば再び論なし」 〔呉志‐張温伝〕

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普及版 字通 「清議」の読み・字形・画数・意味

【清議】せいぎ

清高の論。晋・傅玄〔清遠を挙ぐる(ちかごろ)魏武、法を好んで、天下刑名を貴び、魏うて、天下守を賤しむ。其の後綱維攝(と)らず。無放の論、野に盈ち、天下をして復(ま)た議無からしむ。而して秦の、復た今に發す。

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改訂新版 世界大百科事典 「清議」の意味・わかりやすい解説

清議 (せいぎ)
Qīng yì

地域社会ないし特定のグループ内において人物批評を中心として形成される輿論(よろん)。中国六朝時代官吏任用法,すなわち〈九品官人法〉が清議に基礎をおいていたように,とくにこの時代の社会のさまざまの方面に機能した。《三国志》の著者陳寿(ちんじゆ)をよい例として,清議によって糾弾された人物は政治的・社会的生命をたたれ,その名誉回復には詔勅発布をまたねばならぬことがしばしばであった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「清議」の意味・わかりやすい解説

清議
せいぎ
qing-yi; ch`ing-i

中国,後漢,魏晋南北朝にかけての士人出身の官吏に関する人物品評。清議を犯すとは,官人としての不正行為や家族道徳に違反したということで,九品官人法もとで,士人が清議を犯すと,士人間の輿論 (郷論) にかけられ,官吏としての身分が引下げられたり,否定されたりした。

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