出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
東京都北部,北多摩最北端の近郊都市。北西を流れる柳瀬川を境に埼玉県所沢市と接する。1970年市制。人口7万4104(2000)。柳瀬川に面する台地上には先史時代の遺跡が残るが,集落の発生は平安中期以降で,近世には一時志木街道の要地として市が立つなどにぎわったが,昭和初期までは純農村であった。1924年に西武池袋線清瀬駅が開設されると,清瀬は東京の近郊住宅地としての発展を始めた。第2次大戦中の疎開者,戦後の引揚者の流入,さらに昭和30年代以降の都営住宅団地の建設などで人口がふえ,とくに昭和40年代以降の増加がめざましい。また都心から北西へ25kmという適度の距離,広大な松林や新鮮な空気,静かな環境という条件を生かし,1931年の東京府立清瀬病院の開設以来,結核療養所を中心に多くの医療機関が集まり,西武線南側に国立療養所東京病院(現,独立行政法人の国立病院機構・東京病院),結核研究所付属療養所(現,複十字病院)など10をこえる病院・療養所地区が形成されている。
執筆者:井内 昇
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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