清清(読み)すがすがしい

精選版 日本国語大辞典 「清清」の意味・読み・例文・類語

すがすが‐し・い【清清】

〘形口〙 すがすがし 〘形シク〙
① さわやかで気持がよい。さっぱりとしている。
古事記(712)上「爾に須賀(すが)の地に到り坐して詔りたまひしく、『吾此地に来て、我が御心須賀須賀斯(スガスガシ)』とのりたまひて」
※成尋母集(1073頃)「身の有様の、若くより、殊にすがすがしからず」
みれんやためらいなしに思い立つさま。抵抗障害を感じないさま。思いきりがよい。
源氏(1001‐14頃)帚木殿上なども、思う給へかけながら、すかすかしうは、えまじらひ侍らざめると申す」
物事進行がすらすらと滞ることのないさまである。
※源氏(1001‐14頃)真木柱「まかでさせ給へと聞こえさせ給ひしかば、こよひは余りすがすがしうやと聞こえたるを」
すがすがし‐げ
〘形動〙
すがすがし‐さ
〘名〙

すが‐すが【清清】

〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
① 抵抗や障害もなく思い立つさま、みれんやためらいを持たないさま、思いきりのよいさまを表わす語。
※源氏(1001‐14頃)桐壺「いとうしろめたう思ひ聞え給ひて、すがすがとも、え参らせたてまつり給はぬなりけり」
② 物事の進行が、さわやかに滞ることのないさまを表わす語。すらすら。
更級日記(1059頃)「ぬまじりといふ所もすがすがと過ぎて」
気分がすっきりとしてさわやかなさまを表わす語。
※非凡なる凡人(1903)〈国木田独歩〉下「僕は急に胸がすがすがして、桂と共に美味く食事をして」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「清清」の意味・読み・例文・類語

すが‐すが【清】

[副]
気分がすっきりして晴れやかなさま。
「心がすっかり新しく―とおなりなすったので」〈木下尚江良人の自白
ためらいがないさま。さっぱり。
「いとうしろめたう思ひ聞こえ給ひて、―ともえ参らせたてまつり給はぬなりけり」〈・桐壺〉
滞りないさま。すらすら。
「ぬまじりといふ所も―と過ぎて」〈更級
[類語]すがすがしい気持ちよい快い快感快楽心地よい痛快小気味よい爽快壮快快適カンファタブルさわやか清新清爽晴れやか晴れ晴れさっぱり

せい‐せい【清清/晴晴】

[副](スル)
苦痛や煩わしさがなくなって、気持ちが晴れるさま。「試験が終わって―(と)した」
すがすがしく感じるさま。
「高い山の見晴はまた別だね。実に―するよ」〈蘆花不如帰
[形動タリ]に同じ。
「夢にとわたる横田川、―たる流れ水の」〈浮・御前義経記・三〉
[類語]さっぱりすっきりすかっと

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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