混沌(読み)コントン

デジタル大辞泉 「混沌」の意味・読み・例文・類語

こん‐とん【混×沌/××沌】

[名]天地がまだ開けず不分明である状態。
[ト・タル][文][形動タリ]すべてが入りまじって区別がつかないさま。「―たる政治情勢」「次期会長の人選は―としてきた」
[類語]しっちゃかめっちゃかはちゃめちゃ乱雑雑然乱脈紛然紛紛繚乱蕪雑ぶざつ狼藉卍巴まんじともえ不統一ごっちゃごちゃごちゃごしゃごしゃごじゃごじゃごたごためちゃくちゃまぜこぜ支離滅裂かなえの沸くが如し上を下へ蜂の巣をつついたよう押すな押すな押し合いへし合い混乱錯綜錯乱錯雑交錯混線混同混交混迷ごた混ぜごちゃ混ぜどさくさこんがらかる紛れる

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世界大百科事典 第2版 「混沌」の意味・わかりやすい解説

こんとん【混沌 hùn dùn】

天地万物が形成される以前の原初の状態。また,物事が混然としてひとつになっているさま。ギリシア語カオスに相当する。中国では,渾沌渾敦,倱仛,渾淪などと表記されることもある。《列子》天瑞篇では,気(物を形づくるガス状の物質)と形と質(物の性質)との三者が入りまじっている状態が渾淪と呼ばれており,やがてそこから天・地・人が分化していくという。三国時代呉の徐整の《三五暦紀》では,天地未分の混沌を鶏卵にたとえている。

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普及版 字通 「混沌」の読み・字形・画数・意味

【混沌】こんとん

未分のさま。〔滄浪詩話詩評魏の古詩は、氣象混沌として、句を以てし。

字通「混」の項目を見る

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世界大百科事典内の混沌の言及

【宇宙】より

…その多くは,単に宇宙形態に関するもののみならず,宇宙の始まりについての議論,超自然的な神とのかかわり,その中での人間の位置などに言及するのがふつうである。 メソポタミア文明としての古代バビロニアを支えたのは,基本的にはシュメールの伝統であるが,それを後継したカルデア人たちの整理によれば,宇宙は,混沌(こんとん)の中から現れた神々の激しい闘争の末に,最終的に勝利を収めた神マルドゥクが,天と地を分け,またそこに人間をつくった結果として誕生したものとされている。天は半球,大地は大洋とそれを取り巻く絶壁によって囲まれた高地であり,その中心からユーフラテス川が流れ出すと考えられたらしい。…

【カオス】より

…秩序としてのコスモスに対立するギリシア語。〈混沌〉と訳される。この語の初出は前700年ころのギリシアの詩人ヘシオドスの《神統記》においてである。…

※「混沌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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