混合下疳(読み)コンゴウゲカン(英語表記)mixed chancre

デジタル大辞泉 「混合下疳」の意味・読み・例文・類語

こんごう‐げかん〔コンガフ‐〕【混合下×疳】

軟性下疳なんせいげかん病原菌梅毒の病原菌とに同時に感染することによって起こる潰瘍かいよう

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改訂新版 世界大百科事典 「混合下疳」の意味・わかりやすい解説

混合下疳 (こんごうげかん)
mixed chancre

性交の際に軟性下疳菌梅毒トレポネマ両方病原体が同時に感染するために起こる症状であり,はじめに軟性下疳の症状が出現したのちに,同一部位に第1期梅毒の症状である硬性下疳が出現することをいう。感染機会である性交後2~7日で外陰部に小さい赤い隆起が発生し,激しい痛みのある深い潰瘍となる。男子では陰茎に,女子では陰唇,腟に生じた軟らかい軟性下疳の潰瘍の部に一致して,感染後約3週に梅毒の第1期の症状である硬いしこりが加わってくる。潰瘍の発生した初期には軟性下疳菌がみつかるし,3週以後には梅毒トレポネマが検出される。梅毒血清反応は感染機会後4~6週後に,つまり硬いしこりができて1~2週後に陽性となる。
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百科事典マイペディア 「混合下疳」の意味・わかりやすい解説

混合下疳【こんごうげかん】

軟性下疳菌と梅毒スピロヘータが同時に感染することによって起こる疾患。まず軟性下疳が発症し,次いで硬性下疳が合併する。治療は,初め軟性下疳の治療を行い,初期硬結像が発してから,全身的な駆梅療法を行う。→梅毒
→関連項目下疳

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「混合下疳」の意味・わかりやすい解説

混合下疳
こんごうげかん

軟性下疳と梅毒の混合感染による下疳。感染後2、3日で外陰部に痛みのある潰瘍(かいよう)として、まず軟性下疳の症状が出現したのち、3週間後に同じ部位に硬いしこりとして、第1期梅毒の症状である硬性下疳ができる。

岡本昭二]

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