深間(読み)ふかま

精選版 日本国語大辞典 「深間」の意味・読み・例文・類語

ふか‐ま【深間】

〘名〙
① 川・谷などの深いところ。深み
※類従本素性集(10C前)「あふみのや深まの稲を苅つめて君か千年のありかすにせん」
男女関係で深い仲になること。また、その情交相手間夫(まぶ)。情人。
※俳諧・談林十百韻(1675)上「返事神ぞ神ぞとかく斗〈卜尺〉 あはれふかまを待し俤〈松臼〉」
③ 人や物事との関係が好ましくない方に進んで、そこから抜け出しにくい情況
※死の棘(1960)〈島尾敏雄〉「前よりもいっそう深まにはまりこんで救いがたくなった」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「深間」の意味・読み・例文・類語

ふか‐ま【深間】

[名・形動]
水などの深い所。深み。「谷の深間に落ち込む」
男女が、別れられないほど深い仲になること。また、そのさま。
小太夫様こだゆうさんの―な馴染なじみ」〈露伴・椀久物語〉
[類語]深み深淵淀み

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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