深鉢(読み)ふかばち

世界大百科事典(旧版)内の深鉢の言及

【甕】より

…考古学では,縄文土器の倒鐘形のものを甕とよんだこともある。しかし今ではこれを深鉢とよぶことが多い。弥生土器の研究では,貯蔵用の壺,盛りつけ用の鉢,高坏(たかつき)と並んで,倒鐘形の器を煮炊き用の器種として甕とよんでいる。…

【土器】より

…また水などの液体を蓄えるには,陶磁器は土器に優るが,熱帯やイスラム世界では,土器の多孔性を利用し,水もれの際に生じる気化熱によって常に冷水を蓄えることもなされている。 先史時代の食料採集民の土器を通観すると,日本の縄文土器をふくめ,ユーラシア,アメリカの北緯30゜~60゜の地帯に住んだ食料採集民の土器の大多数は,深鉢すなわち深さが口径をしのぐ形の器1種類から出発しており,これは煮炊き用であって,もっぱら側面から火熱を受ける器といってよい。南北両半球とも低緯度の地帯では,食料採集民の土器の実例は多くない。…

【弥生土器】より

…壺は胴が丸く,頸(くび)がすぼまり,口が大きく外反する形状を典型とする。弥生土器で甕と呼ぶのは,釣鐘を逆さにしたような形状の,丈が高く広口の器であって,縄文土器の研究では深鉢(ふかばち)と呼ぶものに相当する。高杯はコンポート(脚付きのフルーツ皿)に似た形状。…

※「深鉢」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」