消費地精製主義(読み)しょうひちせいせいしゅぎ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「消費地精製主義」の意味・わかりやすい解説

消費地精製主義
しょうひちせいせいしゅぎ

石油の輸入に際し,海外から原油を輸入し国内で精製する方式をとること。日本は,安定的・経済的な供給を基本としてこの方式を主体とし,需給アンバランスの調整を製品輸入によって補う供給方式をとっている。現地精製方式 (原油生産地で精製した石油製品を輸入する) と比べ,(1) 生産地のような政情不安がないこと,(2) 原油のほうが量的・価格的に安定していること,(3) 消費地の需要変動や品質的要求にも弾力的に対処できること,などの利点がある。しかし,石油危機後,産油国では自国工業の振興付加価値の高さなどから現地精製方式の指向があり,一方,消費国でもこの現地製油所建設に経済協力して,将来の石油供給確保の礎石にしようとする動きがある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の消費地精製主義の言及

【石油産業】より

…これが,戦後には各消費地に精製設備が置かれ,貿易は原油で行われるようになった。いわゆる産地精製主義から消費地精製主義への転換である。 第2の変化として,石油危機後にOPECの生産量に占める割合が低下していることが挙げられる。…

※「消費地精製主義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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