消える(読み)キエル

デジタル大辞泉 「消える」の意味・読み・例文・類語

き・える【消える】

[動ア下一][文]き・ゆ[ヤ下二]
感覚でとらえられなくなる。
㋐姿・形などが見えなくなる。「煙が空に―・える」「男は人ごみの中に―・えた」
㋑音が聞こえなくなる。「足音が―・える」
㋒におい・味・痛みなどが感じられなくなる。「臭みが―・える」
それまであったものが、そこからなくなる。
㋐燃えていた火が絶える。また、発していた光がなくなる。「火が―・える」「街の明かりも―・えた」
㋑雪・霜・露などが、とけたり乾いたりして、なくなる。「日陰の雪も―・えた」
世間の評判、人の感情などが薄れてなくなる。「やがてうわさも―・えるだろう」「憎しみが―・える」
㋓身に備わっていたものが、なくなる。「彼特有の辛辣しんらつさが―・えた」「初出場の硬さが―・える」
㋔埋め合わせがついて、なかったものとなる。「帳簿上の赤字はこれで―・えた」
㋕当然存在するはずの物や人が、なくなったり、いなくなったりする。「宝石金庫から―・えていた」「人影の―・えたスタジアム

正気を失う。
「目もれ、心も―・えて覚ゆる」〈平家・二〉
㋑死ぬ。
「やがて―・え給ひなば、かひなくなむ」〈・若菜上〉
[類語](1)(2せる失う遺失散逸滅失流失消失消滅消散忘失雲散霧散雲散霧消離散四散飛散立ち消え散る失する無くなる無くす無くする無くなす喪失する亡失する紛失する落とす鎮火する・消す消し止める消火する揉み消す掻き消す吹き消す

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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