海鳥(かいちょう)(読み)かいちょう(英語表記)seabird

翻訳|seabird

日本大百科全書(ニッポニカ) 「海鳥(かいちょう)」の意味・わかりやすい解説

海鳥(かいちょう)
かいちょう
seabird

海に依存して生活する鳥類の総称。海鳥(うみどり)ともいわれ、陸鳥に対する語。一時的に海で生活するものを除き、ペンギン目(ペンギン科)、ミズナギドリ目ミズナギドリ科、ウミツバメ科、アホウドリ科、モグリウミツバメ科)、ペリカン目(ペリカン科、ネッタイチョウ科、カツオドリ科、ウ科、ヘビウ科、グンカンドリ科)、チドリ目(トウゾクカモメ科、カモメ科、ハサミアジサシ科、ウミスズメ科、ヒレアシシギ科、サヤハシチドリ科)の4目17科、約280種が含まれる。地球表面の約70%は海に覆われているが、そこにすむ鳥類は現生鳥類全体の約3%にすぎない。飛翔(ひしょう)力を発達させ、外洋域表層の動物を捕食するもの(ミズナギドリ目)や、潜水能力を発達させ沿岸域浅海の魚類をとらえるもの(ウミスズメ科)、飛翔力がなく翼をひれのように使って巧みに遊泳するもの(ペンギン目)、また、ほかの海鳥を追撃して餌(えさ)を横取りするもの(グンカンドリ科、トウゾクカモメ科)などがある。塩分を体外に排出するため鼻部に特殊な腺(せん)がある。繁殖のために島や沿岸に集まり、多種あるいは1種で大きな集団をなす。排出され堆積(たいせき)した糞(ふん)はグアノとよばれ、肥料として利用される。

[長谷川博]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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