海底ケーブル(読み)かいていケーブル

精選版 日本国語大辞典 「海底ケーブル」の意味・読み・例文・類語

かいてい‐ケーブル【海底ケーブル】

〘名〙 (ケーブルはcable) 海底に敷設されたケーブル。電信電話、テレビ用の海底同軸ケーブルで、陸と島、日本外国との通信に利用される。海底線海底電線。〔新しき用語の泉(1921)〕

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デジタル大辞泉 「海底ケーブル」の意味・読み・例文・類語

かいてい‐ケーブル【海底ケーブル】

海底に設置したケーブル。電信・電話・電力輸送用。海底電線。

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百科事典マイペディア 「海底ケーブル」の意味・わかりやすい解説

海底ケーブル【かいていケーブル】

海底に敷設するために作られた電気通信用または電力伝送用のケーブルをいう。電力輸送用はわずかでほとんど海底通信用。海底における高水圧,海水による腐食漁労などによる損傷等の保護のため,陸上ケーブルと異なる強力な構造,材料が用いられている。約100年の歴史があり,旧来のものは,銅心線とそれを囲むグタペルカポリエチレンの絶縁物と外装鉄線からなる構造。現在はほとんど同軸ケーブルで,内部導体の心の部分を強力な鋼線におきかえ外装鉄線を廃止している。長距離通信に伴う信号の減衰が海底ケーブル固有の難問で,その対策として装荷ケーブル無装荷ケーブル発明があったが,今日の大洋横断ケーブルでは20カイリごとに中継増幅器を内蔵させ,それに必要な電力は両端局から数千Vの高圧で送る。寿命は約20年。ケーブル敷設船で布設する。1970年代からは低損失の光ファイバーによるケーブルが主体となった。
→関連項目海底ケーブル敷(布)設船通信ケーブル電話

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改訂新版 世界大百科事典 「海底ケーブル」の意味・わかりやすい解説

海底ケーブル (かいていケーブル)
submarine cable

海底に敷設するために作られた通信用または電力用のケーブルをいう。海底ケーブルは,海底における高水圧や海水による腐食から保護するとともに,ケーブル敷設修理工事や漁労などによる外力に耐えるため,一般に陸上ケーブルと異なる材料,構造が用いられる。通信用は,1850年にドーバー海峡に敷設された電信用の海底ケーブルが世界で最初のものである。これは電信信号を流すための銅線グッタペルカで絶縁し,さらにその上に外装鉄線を巻いたものである。1930年にケーブルの絶縁材料として優れた特性をもつポリエチレンが発明されるとともに,これを用いた同軸ケーブルが開発され,海底ケーブルは,電話用の海底同軸ケーブルが用いられるようになった。海底同軸ケーブルは大洋横断をはじめとして世界の海域に広く敷設された。70年代には,低損失の光ファイバーが実現し,光ファイバー海底ケーブルの研究開発が活発に進められた。光ファイバー海底ケーブルは,直径1.5~2cmで光ファイバーを海水や海底の高水圧から保護するため銅または鉄などの金属パイプ内に収容し,ケーブルを深海へ敷設するため高張力ピアノ線を用いた抗張力体,海底中継器へ給電するための銅による導体と海水から電気絶縁するためのポリエチレン等から構成されている。電力用海底ケーブルは,離島などへの送配電に用いられるもので,陸上電力用ケーブルに比べて絶縁体を厚くするとともに,ケーブル保護のための外装も強固なものとなっている。
海底通信
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