改訂新版 世界大百科事典 の解説
海底ケーブル敷(布)設船 (かいていケーブルふせつせん)
cable layer
cable ship
ケーブル敷設船ともいう。海底に通信用や電力用のケーブルを敷設,埋設したり,損傷ケーブルなどを引き揚げ修理し再埋設する目的に使用される船。定められたルートに沿ってケーブル埋設機を曳引するため,船位測定装置やソナーなどの精密機器を装備する場合が多い。敷設ケーブルは,船首端あるいは船尾に設けられた滑車から,きょう導環と呼ぶガイドリングを通って埋設機に供給され,滑車は波浪による衝撃を避けるため船内格納式となる場合もある。船内各層にはケーブル作業甲板を設け,ケーブルエンジン,制御室などが配置される。作業甲板下にはケーブル倉があり,その中央部にケーブル巻取り用のタンクコーンが設置されている。作業中の位置保持のために高度の操船性能を要求されており,可変ピッチプロペラ,サイドスラスターを装備する場合が多い。
執筆者:国武 吉邦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報