海底ケーブル敷(布)設船(読み)かいていケーブルふせつせん

改訂新版 世界大百科事典 の解説

海底ケーブル敷(布)設船 (かいていケーブルふせつせん)
cable layer
cable ship

ケーブル敷設船ともいう。海底に通信用や電力用のケーブル敷設,埋設したり,損傷ケーブルなどを引き揚げ修理し再埋設する目的に使用される船。定められたルートに沿ってケーブル埋設機を曳引するため,船位測定装置やソナーなどの精密機器を装備する場合が多い。敷設ケーブルは,船首端あるいは船尾に設けられた滑車から,きょう導環と呼ぶガイドリングを通って埋設機に供給され,滑車は波浪による衝撃を避けるため船内格納式となる場合もある。船内各層にはケーブル作業甲板を設け,ケーブルエンジン,制御室などが配置される。作業甲板下にはケーブル倉があり,その中央部にケーブル巻取り用のタンクコーンが設置されている。作業中の位置保持のために高度の操船性能を要求されており,可変ピッチプロペラ,サイドスラスターを装備する場合が多い。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア の解説

海底ケーブル敷(布)設船【かいていケーブルふせつせん】

ケーブル敷設船とも。海底ケーブルの敷設,引揚げを任務とする船。船倉にケーブルタンクがあり,船首に滑車を装備するなどして連続してケーブルを敷設する。ケーブルの保護のため海底の土中に埋設することもできる。日本では現在,国際電信電話会社のKDDオーシャンリンク(9510トン),KDDパシフィックリンク(7764トン),日本電信電話会社のすばる(9700トン),黒潮丸(3340トン)などが稼動している。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の海底ケーブル敷(布)設船の言及

【敷設艦】より

…機雷は投下軌条の下に装備されているチェーンコンベヤにより,急速にかつ一定間隔に艦尾の投下口より海中に投下敷設される。現在,海上自衛隊の艦船分類では,敷設艦とは海底ケーブルを敷設,修理する艦cable layerのことで,機雷を敷設する艦は,機雷敷設艦と称されている。【出光 照生】。…

※「海底ケーブル敷(布)設船」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android