普及版 字通 「浴(漢字)」の読み・字形・画数・意味
浴
常用漢字 10画
[字訓] ゆあみ・あびる
[説文解字]
[甲骨文]
[その他]
[字形] 形声
声符は谷(よう)(容)。谷に容(よう)・裕(ゆう)・欲(よく)の声があり、谿谷の谷(こく)とは別の字。容はに祈って、先人の霊が彷彿(ほうふつ)としてその形容をあらわす意。口は(さい)、祝詞を収める器。八を重ねた形は、その神気を示す。そのことを祈るを欲という。浴はに祈るためにみそぎする意の字である。〔説文〕十一上に「身を洒(あら)ふなり」とあり、浴・欲・容は一系の字。〔国語、斉語〕に、管仲が捕らえられて、斉につれ帰されたとき「三(さんきん)三浴」したことがしるされているが、これは虜囚のけがれを祓い、一たび死し、またる儀礼としてなされるもので、招魂続魄の意味がある。髪を洗うことを沐といい、沐浴はみそぎの法であった。
[訓義]
1. ゆあみ、みそぎのためのゆあみ、きよめる。
2. あびる、みにかける、こうむる、うける。
3. やしなう、十分にやしなう。
[古辞書の訓]
〔和名抄〕浴室 俗に云ふ、由夜(ゆや) 〔名義抄〕浴 ユアム・カハアム・アラフ・ミアラフ・シタガフ・ヤシナフ・アムス
[語系]
浴・欲jiokは同声。・黷dokは相対する語で、(けが)れを洗うことが浴であった。
[熟語]
浴衣▶・浴院▶・浴沂▶・浴器▶・浴巾▶・浴金▶・浴禽▶・浴裙▶・浴血▶・浴斛▶・浴尸▶・浴屍▶・浴肆▶・浴室▶・浴舎▶・浴牀▶・浴場▶・浴水▶・浴▶・浴川▶・浴洗▶・浴槽▶・浴池▶・浴殿▶・浴堂▶・浴徳▶・浴盤▶・浴仏▶・浴盆▶・浴余▶・浴蘭▶
[下接語]
温浴・乾浴・盥浴・休浴・浴・薫浴・三浴・賜浴・酒浴・浄浴・水浴・洗浴・喪浴・澡浴・入浴・鳧浴・沐浴・夜浴・裸浴・冷浴
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報