浮袋・浮嚢(読み)うきぶくろ

精選版 日本国語大辞典 「浮袋・浮嚢」の意味・読み・例文・類語

うき‐ぶくろ【浮袋・浮嚢】

〘名〙
硬骨魚類の消化管の背面にあって、なかに窒素酸素を満たした薄い膜状の袋。気道管によって消化管に連続するものと、連続しないものとがあり、魚類の系統分類の特徴の一つ。気体の量を増減し、この袋の体積を変えることによってからだの比重を調節する。多くの魚類で、水中の音を増幅する役割をもつと考えられ、また一部の魚類では発音器官になっている。鰾(ふえ)。いおのふえ。うおのふえ。
※動物小学(1881)〈松本駒次郎訳〉下「魚類は大抵其胸部内に気胞(ウキフクロ)と云へるものを具ふ」
水泳をする時、沈まないようにからだにつけるもの。ビニール、ゴム、防水布などでつくられた環状・袋状のもので、中に空気を満たす。また、船に備える救命具総称。《季・夏》
新体詩抄(1882)高僧ウルゼーの詩〈外山正一訳〉「浮袋にてうかうかと 游ぐ童子に異ならず」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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