浮巣(読み)うきす

精選版 日本国語大辞典 「浮巣」の意味・読み・例文・類語

うき‐す【浮巣】

〘名〙
カイツブリの巣。葦(あし)の葉や茎、枯葉などで水草茂み水面に作り、水の動きに従って上下する。《季・夏》
※嘉応二年建春門院滋子北面歌合(1170)「子を思ふ鳰のうきすのゆられ来て捨てじとすれやみがくれもせぬ〈源頼政〉」
② 船、または船に乗ることをいう、露店商人隠語。〔日本隠語集(1892)〕
※いやな感じ(1960‐63)〈高見順〉三「あのウキス(船)での一件だ」
③ 船中で仕事をする、すり・窃盗をいう、てきや・盗人仲間の隠語。
※歌舞伎・入間詞大名賢儀(1792)三「海上を働らいて、浮洲を念がけるが、おいらが商売」
④ 魚「めだか(目高)」の異名。〔物類称呼(1775)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「浮巣」の意味・読み・例文・類語

うき‐す【浮(き)巣】

アシ枯れ葉などで水面に作ったカイツブリの巣。 夏》「流さるる―ににほの声悲し/子規

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