浮塵子(読み)うんか

精選版 日本国語大辞典 「浮塵子」の意味・読み・例文・類語

うんか【浮塵子】

〘名〙 カメムシ(半翅)目ウンカ科および近縁の諸科に属する昆虫総称。稲の汁液を吸い、枯らす害虫で、時に大発生することもある。体形セミに似ているが、体長一センチメートル以下で、後肢(こうし)が発達し、よく飛びはねる。はねの色には緑、茶、白など種々ある。広義にはヨコバイ類やアワフキムシ類を含むが、中でも、トビイロウンカセジロウンカヒメトビウンカの三種は稲の害虫として有名。あわむし。こぬかむし。ぬかむし。ふじんし。よこばい。《季・秋》
※俳諧・猿蓑(1691)二「日の暑さ盥の底の(ウンカ)かな〈凡兆〉」

ふじん‐し フヂン‥【浮塵子】

〘名〙 昆虫「うんか(浮塵子)」の漢名。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕

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デジタル大辞泉 「浮塵子」の意味・読み・例文・類語

うんか【浮子/白虫】

半翅はんし目ウンカ科の昆虫の総称。形はセミに似る。繁殖力が強く、稲などの茎や葉から液を吸って枯死させる害虫。ヒメトビウンカ・トビイロウンカセジロウンカなど種類は非常に多い。名は、雲霞うんかのように群がるからという。こぬかむし。ぬかばえ。 秋》

ふじん‐し〔フヂン‐〕【浮×塵子】

ユスリカなどの別名
ウンカの漢名。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「浮塵子」の解説

浮塵子 (ウンカ)

動物。ウンカ科に属する昆虫の総称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の浮塵子の言及

【ウンカ】より

…古くは,群れて飛ぶ小さな虫を総称してウンカと呼び,雲霞,雲蚊などの字を用いた。〈浮塵子(ふじんし)〉をウンカにあてることもあるが,中国では小さな吸血性の双翅類を指し,まったくの誤用である。古名コヌカムシ。…

※「浮塵子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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