浮人(読み)うかれびと

精選版 日本国語大辞典 「浮人」の意味・読み・例文・類語

うかれ‐びと【浮人】

〘名〙 (古くは「うかれひと」)
古代本籍地を離れて他所に住む者。戸籍によって把握できないので課役を免れやすく、そのため取締りの対象となった。浪人
書紀(720)天智九年二月(北野本訓)「戸籍(へふむた)を造り、盗賊(ぬすびと)浮浪(ウカレヒト)とを断(や)む」
② 美しい物や、華やかな事、また、異性などにひかれて浮かれ歩く人。
浮世草子・好色通変歌占(1688)「見るからにさそふ水あらばうかれ人うき名立ても末はとをらず」

うかれ‐うど【浮人】

〘名〙 「うかれびと(浮人)」の変化したもの。
※宇津保(970‐999頃)蔵開中「『うかれうどこそしるしなれ』とて、いで給ひぬ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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