精選版 日本国語大辞典 「浮上」の意味・読み・例文・類語
うき‐あが・る【浮上】
〘自ラ五(四)〙
② 隠れていたものごとが表に現われる。浮かび上がる。
※青年(1910‐11)〈森鴎外〉一〇「突然妙な事が己の記憶から浮き上がった」
※夜の寝覚(1045‐68頃)二「心ちのいみじくおぼさるれば、うち臥し給へるも、ただうきあがるやうにおぼえつつ」
※御身(1921)〈横光利一〉五「枕の下へ手を入れて彼女の頭を浮き上らせると」
④ 苦しい状態から抜け出る。運が開ける。浮かび上がる。
⑤ 気持がふわつく。うきうきする。
うかび‐あが・る【浮上】
〘自ラ五(四)〙
※高野本平家(13C前)一「此度泥犁(ないり)に沈みなば、多生曠劫をば隔つとも、うかひあからん事かたし」
② 隠れていた物事がわかるようになる。
(イ) 意識に出てくる。思い出される。
※碑文(1923)〈横光利一〉「突然一人の頭の中へカンナの予言が浮び上った」
(ロ) 物事が外面に現われる。はっきりしてくる。また、注目されるようになる。「容疑者が浮かび上がる」
※明暗(1916)〈夏目漱石〉一一一「彼女は肉の上に浮び上ったその微笑が何の象徴(シンボル)であるかを殆んど知らなかった」
③ 苦しい状態からぬけ出る。運が開ける。また、立身出世する。
※日葡辞書(1603‐04)「ツミヨリ vcabiagaru(ウカビアガル)」
うかみ‐あが・る【浮上】
〘自ラ四〙
① =うかびあがる(浮上)①②
※羅葡日辞書(1595)「Emergo〈略〉ミヅノ ナカ ヨリ vcami(ウカミ) agaru(アガル)」
② =うかびあがる(浮上)③
※浮世草子・世間娘容気(1717)三「玄宗へ妾奉公に出し、それより一家一門うかみあがりて」
ふ‐じょう ‥ジャウ【浮上】
〘名〙
① 水の中から浮かびあがること。
※海の柩(1970)〈吉村昭〉一「凪いだ沖の海面に艦影が浮上した」
② 表面に現われ出ること。また、悪い状況から良い状況になること。
※にんげん動物園(1981)〈中島梓〉一〇三「もう優勝戦線はおろか、Aクラス浮上もない」
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