普及版 字通 「浦(漢字)」の読み・字形・画数・意味
浦
常用漢字 10画
[字訓] うら・はま
[説文解字]
[字形] 形声
声符は甫(ほ)。〔説文〕十一上に「水(すいひん)なり」とあり、水涯をいう。はのち濱(浜)に作る。みな水涯の神事を行うところで、〔楚辞、九歌、湘君〕「陽(しんやう)を極浦にむ」、張衡の〔思玄の賦〕「洛浦の妃(ふくひ)を召す」など、水神祭祀のとき、神を浦に迎えることを歌うものが多い。
[訓義]
1. うら、はま、水のほとり。
2. 水の合流するところ、水がそそぎ入るところ。
[古辞書の訓]
〔和名抄〕浦 宇良(うら) 〔字鏡集〕浦 ウラ・ホラ
[声系]
〔説文〕に浦声としての一字を収める。は水草。浦と声義の関係があるかもしれない。
[語系]
浦phaは埠・(歩)baと通じ、埠(ふ)は舟つき場、は水涯をいう。また(頻)・bien、濱pien、邊(辺)pyenも声義の関係があると考えられ、すべて際涯のところをいう。その地は霊を迎え、霊を送るところであった。水神祭祀の歌謡には、浦に水神を迎えることをいうものが多い。
[熟語]
浦▶・浦海▶・浦月▶・浦口▶・浦嶼▶・浦帆▶・浦辺▶・浦湾▶
[下接語]
烟浦・遠浦・海浦・曲浦・極浦・江浦・沙浦・州浦・秋浦・春浦・嶼浦・浦・浦・夜浦・浦・湾浦
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報