(読み)ハマ

デジタル大辞泉 「浜」の意味・読み・例文・類語

はま【浜】

海や湖の水際に沿う平地。浜辺。
(大阪地方で)河岸かし
横浜」の略。「っ子」
《「揚げ浜」の略》「上げ石」に同じ。
[補説]書名別項。→
[類語](1浜辺海浜砂浜海辺海岸沿海沿岸海沿い海辺かいへん臨海湾岸州浜波打ち際海水浴場リアス式海岸シーサイドビーチ磯辺荒磯

ひん【浜〔濱〕】[漢字項目]

常用漢字] [音]ヒン(呉)(漢) [訓]はま
〈ヒン〉
水が陸に接する所。波打ち際。はま。「浜堤海浜水浜
横浜。「京浜
〈はま〉「浜辺浜千鳥塩浜州浜砂浜

はま【浜】[書名]

俳句雑誌。昭和21年(1946)、大野林火が創刊・主宰。同人として野沢節子、村越化石らが参加した。大野の没後は松崎鉄之介が主宰を継承。平成25年(2013)8月号をもって終刊

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精選版 日本国語大辞典 「浜」の意味・読み・例文・類語

はま【浜】

[1] 〘名〙
① 海や湖の、水ぎわに沿った平地。浜辺。海辺。
※古事記(712)中・歌謡「浜つ千鳥 波麻(ハマ)よは行かず 磯伝ふ」
② 大阪で、河岸(かし)川端をいう。
※浮世草子・世間胸算用(1692)二「天満の舟祭りが見ゆるこそ幸はひなれ、浜(ハマ)にかけたる桟敷へ」
③ 浜辺や川岸に設けられた市。中世では大坂の四天王寺門前の浜市。近世では米市のあった大坂の堂島の川岸。また、その米市にたずさわる人。
※庭訓往来(1394‐1428頃)「凡京町人、浜商人、鎌倉誂物」
囲碁で、盤上から取り除かれた石。①の意を掛けて用いることもある。あげいし。あげはま。浜石。
拾遺(1005‐07頃か)雑下・五五二「しら浪の打やかへすとまつほどにはまのまさごのかずぞつもれる〈村上天皇〉」
⑤ (「しおはま(塩浜)」の略) 塩田
⑥ 江戸の品川の遊里で、応接間客間にあたる「見通し」のこと。海が見渡せるところからいう。
※洒落本・古契三娼(1787)「見とうしの事を浜(ハマ)といひやす」
⑦ 「はまぐり(蛤)」の略。おはま。
御湯殿上日記‐大永八年(1528)六月一日「すけ殿よりはままいる」
[2]
[一] 「よこはま(横浜)」の略。
※歌舞伎・船打込橋間白浪(鋳掛松)(1866)序幕「上州あたりの商人体(あきんどてい)だが、横浜(ハマ)ででも儲けた金か」
[二] 「きたはま(北浜)」の略。〔モダン辞典(1930)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「浜」の意味・わかりやすい解説

浜 (はま)

浜という言葉は,日本では,海や湖に沿った比較的平たんな砂礫地を指して使われ,岩礁性の磯浜と砂泥性の砂浜とがある。漁村では,浜は,地引網(じびきあみ)などの網引場として,あるいは船揚場や網干場として共同で管理されている場合が多い。漁村の家はいったいに作業場がほとんどなく,網の修理や漁具手入れ,あるいは魚の分配や加工などは,共同の作業場である浜が利用された。砂浜を指すことばとしては,ウタ,ナゴ,ヨリアゲユリアゲ,それに関東から東北にかけてスカなどが,古来より使われている。なお,大阪では河岸(かし)のことを浜とよんだ。
 → →浦・浜
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「浜」の意味・わかりやすい解説


はま

満潮汀線(ていせん)よりすこし上に位置する波の到達限界から、海側の干潮汀線までにみられる比較的平坦(へいたん)な帯状地をいう。満潮汀線より海側は前浜(まえはま)、陸側は後浜(あとはま)とよばれることもある。浜は泥や砂や礫(れき)、巨(漂)礫、岩などからなり、それぞれ、泥質浜、砂浜、礫浜、漂礫浜、磯(いそ)(岩)浜とよばれる。また、砂泥などの堆積(たいせき)物からなる浜を一般に砂浜とよび、巨礫や岩石質の浜を磯とよぶこともある。浜は平面形や規模によって、三日月浜、ポケット浜などの呼称がある。

[豊島吉則]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「浜」の解説

はま

?-? 江戸時代前期のキリシタン。
出羽(でわ)久保田藩(秋田県)藩主佐竹義宣(よしのぶ)の側室。元和(げんな)(1615-24)のころ,イエズス会宣教師カルバリヨから洗礼をうけようとしたが,義宣にゆるされなかった。城中から追放されたあと受洗して信者と結婚した。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「浜」の意味・わかりやすい解説


はま
beach

高潮線と低潮線の間にある海岸の部分をいう。通常,堆積物から成る海岸をさし,礫浜,砂浜,泥浜に分類する。礫浜は幅が狭く急傾斜をなす。泥浜は湾奥部や河口に発達し,幅が広く傾斜はゆるやかである。また小石や砂から成る海岸を砂浜,岩石海岸を磯浜ということもある。人文地理学では海岸の漁業集落を浜と呼ぶ。

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