浜中町(読み)はまなかちよう

日本歴史地名大系 「浜中町」の解説

浜中町
はまなかちよう

面積:四二七・六三平方キロ

昭和三八年(一九六三)八月、厚岸あつけし浜中村が町制を施行して成立。釧路支庁管内の東端厚岸郡東部に位置し、西は同郡厚岸町、北は根室支庁管内野付のつけ別海べつかい町、東は同支庁管内根室市に接し、南は太平洋に面する。町域は南西から北東に延び北西半部は根釧こんせん台地南端にあたり、風蓮ふうれん川とその支流姉別あねべつ川などが東流している。南東の海岸部には水深の浅い浜中湾と琵琶瀬びわせ湾が形成され、両湾は霧多布きりたつぷ島によって隔てられており、琵琶瀬湾の南は嶮暮帰けんぼつき島で限られる。両湾の背後にはラムサール条約登録湿地である霧多布湿原が広がり、湿原中を琵琶瀬川・しん川・どろ川などが流れ、これらの河川が形成した河跡湖が点在する。海岸部南端近くは海食崖が発達し、海跡湖である火散布ひちりつぷ沼・藻散布もちりつぷ沼などが形成されている。根釧台地南端部を国道四四号とJR根室本線が南西から北東へ通り、同線の茶内ちやない・浜中・姉別の各駅が設けられている。

浜中町
はまなかちよう

明治一四年(一八八一)七月浜中村が浜中町と改めて成立した(郡区沿革表)。同一七年水産営業人組合事務所開設。同二〇年の余市市街図(北海道大学北方資料室蔵)ではヌツチ川の東岸側に浜中町とみえ、東端に戸長役場と記される。同二四年調の「徴発物件一覧表」では戸数九八・人口一千一、官廨四、倉庫一五、厩四、五〇石以上船二・艀漁小廻船四〇。同二七年猪俣安之丞・林長左衛門らが発起人となって余市銀行(資本金一〇万円、のち北海道銀行)が設立された(余市商工鉱発達史)

浜中町
はまなかちよう

沖見おきみ町の南にある。昭和二八年(一九五三)大字礼受村れうけむら字アッカルウシナイほか一二の字を包括して設置。同三〇年の戸口は一一一戸・七一六人(留萌市統計書)。同年以降鰊漁が終焉し、人口流出があったが、漁業はカレイ刺網・タコ延縄などで継続。沿岸漁業育成のための漁場造成・漁場改良事業・漁港整備・のり養殖などの事業を行っている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「浜中町」の意味・わかりやすい解説

浜中〔町〕
はまなか

北海道東部,太平洋にのぞむ町。 1963年町制。地名はアイヌ語オタノシケ (砂浜の中央の意) に由来。おもな産業はコンブサンマイカ,タコなどの沿岸漁業と根釧台地南部の酪農。厚岸道立自然公園に属する霧多布 (きりたっぷ) 湿原,琵琶瀬 (びわせ) 高台霧多布岬景勝地があり,霧多布泥炭形成植物群落は天然記念物。中心集落は霧多布。 JR根室本線,国道 44号線が通る。面積 423.63km2。人口 5507(2020)。

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