浄興寺(読み)ジョウコウジ

デジタル大辞泉 「浄興寺」の意味・読み・例文・類語

じょうこう‐じ〔ジヤウコウ‐〕【浄興寺】

新潟県上越市にある浄土真宗浄興寺派の本山山号は観喜踊躍山。常陸国笠間にあった親鸞草庵起源で、正保3年(1646)現在地に移転

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精選版 日本国語大辞典 「浄興寺」の意味・読み・例文・類語

じょうこう‐じ ジャウコウ‥【浄興寺】

新潟県上越市寺町にある真宗浄興寺派の本山。山号は歓喜踊躍山。もと真宗大谷派に属した。建保五年(一二一七)親鸞が常陸国(茨城県)稲田郷吹雪谷に結んだ草庵(稲田御坊)に始まる。文永四年(一二六七)、信濃国(長野県)長沼村に移り、永祿九年(一五六六越後国(新潟県)春日山のふもとに、さらに慶長一五年(一六一〇越後高田城下に移された。

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日本歴史地名大系 「浄興寺」の解説

浄興寺
じようこうじ

[現在地名]上越市寺町二丁目

常敬じようきよう寺の北隣にある。歓喜踊躍山と号し本尊阿弥陀如来、真宗浄興寺派本山。寺伝によれば当寺は承元元年(一二〇七)越後国府に配流になった親鸞が建暦元年(一二一一)流罪を解かれ、建保五年(一二一七)常陸国笠間かさま稲田いなだ(現茨城県笠間市)に稲田草庵(稲田禅房)を開いたのに起源するという。親鸞はそこで「教行信証」を著し、浄土真宗を開いたといい、経文から採って稲田草庵を歓喜踊躍山と号し、浄土真宗興行寺と名付けたと伝える。浄興寺はその略称であった。貞永元年(一二三二)頃親鸞は弟子善性房鸞英に寺を譲って帰洛したが、その後浄興寺は兵火にあって下総国猿島さしま磯部いそべ(現茨城県猿島郡総和町)に移転した。

浄興寺
じようこうじ

[現在地名]江戸川区江戸川三丁目

龍亀山清泰院と号し、浄土宗。本尊阿弥陀如来。文永三年(一二六六)源清という僧が草庵を結んだのが始まりで、弘安年間(一二七八―八八)当寺に一宿した記主禅師良忠を請うて開山としたと伝える(風土記稿)。「蓮門精舎旧詞」には増蓮社頓誉源清の開山とある。永正六年(一五〇九)冬、江戸から房総方面を旅した連歌師宗長は「今井といふ津よりおりて、浄土門の寺浄興寺にて、むかへ馬人待ほど」と記しており(東路の津登)、江戸の館から隅田川を下り今井津で舟を降り、浄興寺で迎えの人馬を待っている。

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改訂新版 世界大百科事典 「浄興寺」の意味・わかりやすい解説

浄興寺 (じょうこうじ)

新潟県上越市にある浄土真宗浄興寺派の本山。寺伝によると,親鸞は常陸国茨城郡稲田郷に稲田禅房を開いて,名を歓喜踊躍(ゆやく)山浄土真宗興行寺とした。浄興寺はその略称であるという。親鸞の帰洛に際し,寺は善性に譲られたが,1262年(弘長2)に親鸞が没すると,その遺骨が浄興寺に分納された。その後,浄興寺は火災や戦乱にあい,信濃国の長沼,越後国の春日山,同国の福島などを転々としたが,1610年(慶長15)松平氏の城下の高田に移り,46年(正保3)に現在の地に堂宇を建てた。親鸞の遺骨のほか,本願寺歴代法主の遺骨も分納され,寺内には本堂のほかに,霊廟,太子堂などがあり,聖教をはじめとする寺宝も多い。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「浄興寺」の意味・わかりやすい解説

浄興寺
じょうこうじ

新潟県上越(じょうえつ)市寺町にある真宗浄興寺派本山。山号は歓喜踊躍山(かんぎゆうやくさん)。本尊は阿弥陀如来(あみだにょらい)。開山は親鸞(しんらん)。寺伝によれば、親鸞が『教行信証(きょうぎょうしんしょう)』を著した常陸(ひたち)(茨城県)の稲田禅坊(いなだぜんぼう)を起源とし、1224年(元仁1)の開創という。1262年(弘長2)親鸞没時の遺命により頂骨と遺物を守り、信濃(しなの)国(長野県)長沼に約300年間あったが、川中島合戦のとき焼失、各地を移転した。1610年(慶長15)松平忠輝(ただてる)の越後(えちご)(新潟県)の高田城造営に伴い城下裏寺町に再興されたが、1646年(正保3)現地に移った。一説に寛文(かんぶん)大地震(1665)後に現在地に移転ともいう。親鸞廟(びょう)には頂骨を安置し、また一般信者の納骨も許している。6月24日逮夜(たいや)~28日の大法会(ほうえ)のときには本堂の正面に遺物の笈(おい)を飾り、宝塔を安置する。

[清水 乞]

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デジタル大辞泉プラス 「浄興寺」の解説

浄興寺

新潟県上越市にある寺院。真言宗浄興寺派本山。山号は観喜踊躍(かんぎゆやく)山。本尊は阿弥陀如来。常陸国にあった親鸞の草庵が起源と伝わる。

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