活字印刷(読み)かつじいんさつ

旺文社世界史事典 三訂版 「活字印刷」の解説

活字印刷
かつじいんさつ

字型を紙にそのまま写す方法
【西洋】活字印刷は,オランダコステルが1423年に,木製の,ついで鉛と錫の活字を使って創始したという説がある。ドイツのグーテンベルクは,マインツで1450年ごろ,ぶどう圧搾機を改良した加圧式印刷機と改良した油性インクを使った活字印刷を始め,最初,金属を刻んだ活字を使用したが,助手シュッフェルの工夫によって金属の鋳型を作り,活字を改良した。彼はラテン語聖書を印刷したが,この技術によって書物は安価なものとなり普及し,宗教改革やルネサンスに影響を与えた。
【東洋】11世紀,北宋畢昇 (ひつしよう) が泥を膠で固めて活字を発明したが,実用的でなく,12世紀末に高麗金属活字がつくられた。

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旺文社日本史事典 三訂版 「活字印刷」の解説

活字印刷
かつじいんさつ

活字を用いて行う印刷
日本では,16世紀末,イエズス会宣教師によって活字印刷機が輸入され,キリシタン版や,朝鮮侵略の際に移入された銅活字木活字の印刷があるが,江戸期の出版物はほとんどが木版印刷になった。明治初期,本木昌造によって鉛製の活字が実用化され,活字印刷は画期的に発達し,文化発展に寄与した。

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世界大百科事典(旧版)内の活字印刷の言及

【印刷】より


【歴史】

[源流]
 ふつう印刷術は中国に始まったと考えられており,その場合の印刷術は木版に文字を彫りそれに墨を塗り,上から紙をあて〈バレン〉のようなもので文字を刷りとる方法が行われたのである。現在広く行われている活字印刷に対し,これを〈整版〉と呼んでいる。こうした印刷は唐代(618‐907)に始まったと思われるが,しかしそれ以前から印刷類似の方法が中国やオリエントで行われていた。…

【王禎】より

…《農書》で注目されるのは,水力を利用した製粉機や紡績機の発達で,江西地方の水転連磨は,大軸に連なる三つの歯車によって9個の石磨(石製の挽臼(ひきうす))を同時に連動させることができる。このほか活字印刷についても検討を加え,陶活字やスズ活字に比べて木活字が優れていること,活字収納のために回転式排字架が有用であることを述べている。【勝村 哲也】。…

※「活字印刷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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