津館跡(読み)ねつやかたあと

日本歴史地名大系 「津館跡」の解説

津館跡
ねつやかたあと

[現在地名]東部町大字禰津東町・同西町の辺り

禰津にあったと伝える東信濃の豪族禰津氏の居館跡。館は、禰津氏が平安時代より戦国時代まで居を構えた本拠で、初めは古道禰津道が南を通っている禰津西町の小字古見立ふるみたて(古御館ともいう)で、戦国初期頃、古見立より北のみやいり地籍に移転したと推定される。ここには榧の木の古木が立ち、禰津氏は「延喜式」の「新治牧」また「吾妻鏡」の「新張牧」などの牧官であったと考えられる。

「参考保元物語」の保元元年(一一五六)七月朝廷方の源義朝に従った信濃武士の中に「(前略)信濃ニハ海野・望月(中略)根津神平神、京師本、作甚、半井本、作新按系図、禰津神平、名貞直、滋野道直子」と根津神平貞直があるのが初見。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報