津久見(読み)つくみ

精選版 日本国語大辞典 「津久見」の意味・読み・例文・類語

つくみ【津久見】

大分県南東部の地名豊後水道西部の津久見湾に面する。石灰岩の大規模な採掘が行なわれ、セメント工業がさかん。傾斜地を利用してミカン栽培が行なわれる。昭和二六年(一九五一市制

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デジタル大辞泉 「津久見」の意味・読み・例文・類語

つくみ【津久見】

大分県南東部の市。豊後水道西側の津久見湾に臨む。セメント工業、ミカンの栽培が盛ん。人口2.0万(2010)。

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日本歴史地名大系 「津久見」の解説

津久見
つくみ

現津久見市域のうち保戸島ほとじまを除く全域。臼杵うすき庄の内。建長二年(一二五〇)三月一六日の臼杵庄地頭代官僧西印・公文僧連署奉書(解脱寺文書)に「津久見浦」とみえ、同浦鎮守の八幡大菩薩(現赤八幡社)に字やふたにある三段の田が御供田として寄進されている。宝徳二年(一四五〇)四月一日大津久見おおつくみ(田一段半、分銭一貫五〇文)日見ひみ(畠三段半佃請料、分銭七貫文)はと(鮑代、分銭一貫二〇〇文)などが薬師寺新九郎に給所として与えられている(「薬師寺新九郎給所坪付」薬師寺文書)。現四浦の久保泊ようらのくぼどまりにある室町時代のものと思われる庚申碑銘文に「臼杵庄津久見村久保泊浦各守庚申」とみえる。

守護領臼杵庄のうち津久見に給所を安堵されている氏族には津久見氏・薬師寺氏・若林氏・鳩氏・奈須氏らがおり、その給所は貫高表示となっている(年月日未詳「若林仲秀給所坪付」文化庁蔵若林文書など)

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改訂新版 世界大百科事典 「津久見」の意味・わかりやすい解説

津久見[市] (つくみ)

大分県東部,豊後水道の津久見湾に臨む市。1951年市制。人口1万9917(2010)。山が海にせまり,典型的リアス式海岸が発達する。湾奥にわずかに低地があり,市街が発達,JR日豊本線,国道217号線が通じている。東九州自動車道のインターチェンジもある。三方を囲む山地は古生代二畳紀の石灰岩脈からなり石灰石が採掘され,セメントの町として発展した。岩脈は水晶山地区を東端として,南西方向に約20kmにわたって連続しており,鉱床の幅も500~1700mに達する。鉱床にはマグネシウム含有分が高い部分があり,ドロマイトとして採掘しているところもある。石灰石の生産は文久年間(1861-64)の農業用石灰の焼成に始まるが,1918年以降のセメント用石灰石の採掘と38年の小野田セメント(現,太平洋セメント)の工場建設によって本格的な生産に入った。現在石灰石は階段式採掘法により年間約3300万tを生産する。この数字はこの地区で稼働している数社の合計であるが,日本最大の石灰石産地となっている。津久見港は1951年重要港湾に指定された貿易港で,石灰石,セメントを輸出する。ミカンの産地としても知られ,背後斜面に約640haのミカン畑が広がる。市内上青江尾崎の小ミカン先祖木(せんぞぎ)(天)は樹齢800年といわれ,いまなお毎年実をつける。四浦(ようら)半島先端にある保戸島はマグロはえなわ船の基地である。
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