泥濘(読み)ぬかる

精選版 日本国語大辞典 「泥濘」の意味・読み・例文・類語

ぬか・る【泥濘】

〘自ラ五(四)〙
① 湿る。湿気る。
四河入海(17C前)一三「茶は活火で煎ぜぬは、ぬかってわるいぞ」
② ものが腐るなどしてぐちゃぐちゃになる。
※大淵代抄(1630頃)六「はや𣏓目が付き歯にぬかって小臭い菓子で走(さう)ぞ」
③ 雨や雪どけ、霜どけなどで、地面の土がどろどろになる。道が泥ぶかくなる。ぬかるむ。
咄本醒睡笑(1628)一「せき入るる苗代水やこぼるらんぬかりて道の乾く間もなし」

でい‐ねい【泥濘】

〘名〙 (形動) 泥が深いこと。土がぬかるんでいること。また、そのさまやその所。ぬかるみ。泥(でいどう)
※東海一漚集(1375頃)一・春雪「陌上泥濘没牛尻、故旧訪我難屐」
※妻(1908‐09)〈田山花袋〉九「空は曇って路は夥(おびただ)しく泥濘(デイネイ)だ」 〔抱朴子君道

ぬかる・む【泥濘】

〘自マ五(四)〙 =ぬかる(泥濘)
青草(1914)〈近松秋江〉七「火影が泥濘(ヌカル)んだ道を照らしてゐた」

ぬかり【泥濘】

〘名〙 (動詞「ぬかる(泥濘)」の連用形名詞化) 雨水などで地面がどろどろになること。
※為尹千首(1415)春「あぜを越す苗代水のほど見えて路のぬかりのかわくまもなし」

ぬかり‐み【泥濘】

※咄本・聞上手三篇(1773)同いどし「ぬかりみの道を、おばばがふたり行かかり」

ぬかる‐み【泥濘】

〘名〙 土が水を多量に含んで泥深くなっているところ。ぬかっているところ。ぬかりみ。
※俳諧・武玉川(1750‐76)五「ぬかるみを貌しげしげと通りけり」

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デジタル大辞泉 「泥濘」の意味・読み・例文・類語

ぬかる‐み【泥濘】

雨や雪解けなどで地面がぬかっている所。「泥濘に足を取られる」「泥濘にはまる」
[類語]泥濘湿地沼地湿原水たまり

でい‐ねい【泥×濘】

道などのぬかっている所。ぬかるみ。
[類語]ぬかるみ湿地沼地湿原水たまり

ぬかり【泥濘】

雨水などで地面がどろどろになること。
「あぜを越す苗代水のほど見えて路の―のかわくまもなし」〈為尹千首〉

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普及版 字通 「泥濘」の読み・字形・画数・意味

【泥濘】でいねい

ぬかるみ。

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