法雲(読み)ほううん

精選版 日本国語大辞典 「法雲」の意味・読み・例文・類語

ほう‐うん ホフ‥【法雲】

〘名〙 仏語仏法の雲。仏法がすべてを覆うことのたとえ。
※宝覚真空禅師録(1346)乾・頌古・僧問趙州、十二時中、如何用心「法雨霶海岳、法雲靉靆覆乾坤」 〔王維‐登辨覚寺〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「法雲」の意味・わかりやすい解説

法雲
ほううん
(467―529)

中国、梁(りょう)代の学僧。住した寺の名から光宅(こうたく)ともいう。僧旻(そうみん)、智蔵(ちぞう)とともに、梁の三大法師の一人。俗姓は周氏。義興陽羨(ぎこうようせん)(江蘇(こうそ)省鎮江(ちんこう)県宜興(ぎこう))の人。7歳のとき鐘山定林(しょうざんじょうりん)寺の僧印(そういん)について出家し、『法華経(ほけきょう)』を学び、ついで荘厳(しょうごん)寺に移り、13歳のとき僧宗(そうしゅう)(438―496)および僧遠(そうおん)(414―484)に学ぶ。490年ごろ僧柔(そうじゅう)(431―494)の講説を聴き、僧旻、智蔵とともに慧次(えじ)(434―490)について『成実論(じょうじつろん)』や三論を学んだ。497年夏、初めて妙音寺で『法華経』『浄名(じょうみょう)経』を開講して賞賛された。僧俗との交遊も多く、梁の武帝(蕭衍(しょうえん))は光宅寺を創建して法雲を住まわせ、家僧とした。『法華(ほっけ)義記』(現存)、『成実論疏(しょ)』『注大品(ちゅうだいぼん)』などを撰(せん)し、511年の華林園(かりんえん)における『法華経』の講説に際し、天花降下の奇瑞(きずい)を感じた。南京(ナンキン)の雨花台はその旧跡とされる。525年大僧正に任命され、同泰寺(どうたいじ)に千僧会(せんそうえ)を設けた。

[伊藤隆寿 2017年4月18日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「法雲」の意味・わかりやすい解説

法雲
ほううん
Fa-yun

[生]泰始3(467)
[没]中大通1(529).3.
中国,梁の僧。梁の三大法師の一人。光宅ともいう。幼年に出家し,僧成,玄趣,宝亮などに学んだ。建武4 (497) 年 30歳にして妙音寺で『法華経』『維摩経』の2経を講じて名をあげた。天監7 (508) 年武帝の命により,光宅寺の主となり,初めて僧制を立てた。主著『法華経義記』 (8巻) 。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「法雲」の解説

法雲 ほううん

?-1867 江戸時代後期の僧,国語学者。
若狭(わかさ)(福井県)挙野(あげの)の真宗大谷派光徳寺の住職。東条義門にまなび,義門が講述した「真宗聖教和語説」を筆録した。慶応3年11月24日死去。著作に「活語略図解」など。

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