法界縁起(読み)ほっかいえんぎ

精選版 日本国語大辞典 「法界縁起」の意味・読み・例文・類語

ほっかい‐えんぎ【法界縁起】

〘名〙 仏語。すべての物事が互いに因縁となって生起していること。華厳宗教学の中心観念。無尽縁起。一乗縁起。

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デジタル大辞泉 「法界縁起」の意味・読み・例文・類語

ほっかい‐えんぎ【法界縁起】

仏語。一切の現象が絶えず因縁によって生起すること。華厳宗で説く世界観。無尽縁起。一乗縁起。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「法界縁起」の意味・わかりやすい解説

法界縁起
ほっかいえんぎ

仏教の華厳教学の縁起観。事事無礙観,主伴具足,重重無尽を説き,唯心縁起の法門といわれる。諸事象の真実の姿を真如といい,その本性にそなわっている起の性質,すなわち動きという性能外界に顕現した結果を縁起という。森羅万象がその根本の真実の姿に関係して,一即多となっているのが法界であり,それらが相即相入していることを説くのが法界縁起である。真如がまさっている場合を浄縁起といい,無明がまさっている場合を染縁起という。

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世界大百科事典(旧版)内の法界縁起の言及

【縁起】より

…すなわち無明を究極原因とし,生・老死を最終結果とする十二の因果の連続体がわれわれ有情(うじよう)のあり方であり,そこにはなんら固定的・実体的な自我(アートマン)は存在しないという。原始仏教いらい説かれるこの十二支縁起を〈業感縁起〉といい,これと,大乗の瑜伽行唯識派の〈阿頼耶識縁起〉,如来蔵思想の〈如来蔵縁起〉,華厳宗の〈法界縁起〉とをあわせて四種縁起とよぶことがある。【横山 紘一】
[日本における縁起]
 〈縁起〉の語義の解釈には諸説があり,その推移をたどることはさながら仏教教説史を説くことになる。…

【法界】より

…いいかえると,法界は現実界そのものと,真理・真如(しんによ)の両義を含んでいる。この法界はすべてのものが互いに因となり,縁(えん)となって現れているという意味で,〈法界縁起(ほつかいえんぎ)〉が説かれた。上述の意味とは別に,意識の対象となるものを法界(または法境(ほうきよう))ということもある。…

※「法界縁起」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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