法案寺(読み)ほうあんじ

日本歴史地名大系 「法案寺」の解説

法案寺
ほうあんじ

[現在地名]南区島之内二丁目

高野山真言宗、山号志宜山、本尊聖観音立像(国指定重要文化財)なん坊と通称し、もと生国魂いくくにたま神社(現天王寺区)神宮寺であった。古くは法安寺と表記する場合が多い。寺伝によると、聖徳太子が生玉明神の奇瑞を感じて志宜野しぎの(現東区)社殿を建立し、傍らに堂舎を建立したのが草創と伝える。「義演准后日記」慶長五年(一六〇〇)二月一一日条に法案寺について「聖徳太子御建立寺也」とみえる。勅願寺であったが漸次衰退し、応永年間(一三九四―一四二八)松永政広の子正意が再興した。当寺第三世正教は本願寺蓮如に帰依して当寺の近くに祐光ゆうこう(跡地は現東区、現大淀区円勝寺が寺跡を所有)を建て、当寺は祐淳が継承した。「天文日記」天文五年(一五三六)六月三日条をはじめとして法安寺が頻出するが、この頃は石山いしやま本願寺(跡地は現東区)と堀一筋を隔てた西側にあり(同七年一月八日条・同八年一二月二五日条)、本願寺と密接な関係をもっていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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