治定(読み)じじょう

精選版 日本国語大辞典 「治定」の意味・読み・例文・類語

じ‐じょう ヂヂャウ【治定】

[1] 〘名〙
① (━する) 物事にきまりがつくこと。落着すること。また、そうすることに決めること。
※名語記(1275)三「私の建立は治定しがたきもの也」
太平記(14C後)一三「治定(ヂぢゃう)有りける其の夜、中院より北の御方へ告げ申されければ」
② (形動) 確かであること。また、そのさま。確定。必定(ひつじょう)
極楽寺殿御消息(13C中)第四〇条「物をかい候はん時、ちちゃうを一度に申べし」
※浮世草子・けいせい伝受紙子(1710)三「我を恨(うらみ)んは治定(ジヂャウ)なり」
連歌俳諧で、句の表現を完結すること。
※俳諧・をだまき(元祿四年本)(1691)治定のか「治定のか 花のはか若衆さかりもしばしにて」
[2] 〘副〙 必ず。きまって。きっと。
※太平記(14C後)一〇「今日の戦には治定(ヂヂャウ)勝べき謂れ候」

ち‐てい【治定】

〘名〙

じ‐てい ヂ‥【治定】

〘名〙 (「ちてい」とも) 国などをおさめさだめること。また、国などがおさまり安定すること。〔史記楽書

ち‐じょう ‥ヂャウ【治定】

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「治定」の意味・読み・例文・類語

じ‐じょう〔ヂヂヤウ〕【治定】

[名・形動](スル)
決定すること。落ち着くこと。〈和英語林集成
「連歌はなほ上手になりてのちも善悪をひしと―する事はかたし」〈連理秘抄
きまりきっていること。また、そのさま。必定ひつじょう
「それがしは、君を御代に出だし申すぞ。―なり」〈狂言記七騎落
連歌・俳諧で、推敲の結果、句形が決定すること。また、切れ字により1句の表現を完結すること。
「『や』と言ふ文字は―の切れ字」〈伎・名歌徳〉
[副]必ず。きっと。
「今日のいくさには―勝つべきいはれ候」〈太平記・一〇〉

ち‐じょう〔‐ヂヤウ〕【治定】

じじょう(治定)

ち‐てい【治定】

じてい(治定)

じ‐てい〔ヂ‐〕【治定】

《「ちてい」とも》国などをおさめ安定させること。世の中がおさまり安定すること。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「治定」の読み・字形・画数・意味

【治定】ちてい

よく治まる。〔三国志、魏、高柔伝〕治定のは禮を以て首と爲し、撥亂(はつらん)のは刑を以て先と爲す。~掾は當、典にらかなれ。

字通「治」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android