精選版 日本国語大辞典 「油紙」の意味・読み・例文・類語
あぶら‐がみ【油紙】
ゆ‐し【油紙】
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
桐油(とうゆ)紙ともいい,西の内紙,美濃紙など厚手の純日本紙に,まずカキ渋を塗って乾燥し,その上に桐油または荏油(えのあぶら)を何回も塗って乾燥したじょうぶな防水紙。これを表にして裏に薄布を合わせた防水衣を桐油合羽(とうゆがつぱ)と名づけて古くから外出着に用い,ただ厚紙のみのものは油単(ゆたん)と呼ばれて荷物の雨覆いに用い,雨傘には必ず用いられた。また雨よけの障子に張って油障子と呼び,現に歌舞伎の舞台に見る《吉例寿曾我》対面場のしとみ障子,《鬼一法眼三略巻》菊畑の花壇の覆いなどがそれである。代用としてはダイコンのしぼり汁が古くから利用され,これを霧にして吹きかけると,障子紙が強くなって,たいていの雨には破れないといわれた。近年はさらに化学作用による洋風の耐水紙,パラフィン紙などができて,油紙の用途はだんだん衰退するにいたった。
執筆者:本山 荻舟
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
3/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
2/13 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
1/12 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
12/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新