油然(読み)ユウゼン

デジタル大辞泉 「油然」の意味・読み・例文・類語

ゆう‐ぜん〔イウ‐〕【油然】

[ト・タル][文][形動タリ]盛んにわき起こるさま。また、心に浮かぶさま。「油然と雲がわきたつ」「油然として詩情がわく」
[類語]盛ん隆隆りゅうりゅう鬱然うつぜん澎湃ほうはい勃勃ぼつぼつ湧然ゆうぜん沸沸ふつふつ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「油然」の意味・読み・例文・類語

ゆう‐ぜん イウ‥【油然】

〘形動タリ〙
① 雲などが盛んにわき起こるさま。また、心に感情などがわきあがるさま。ゆぜん
※艸山集(1674)一九・癸卯孟夏二十七日新天子登極余偶在京師朝雨之後天陰日静就枕一覚起来独笑而作「少年天子万年初、一雨油然満九衢
露団々(1889)〈幸田露伴〉一四「雲が岫から出るやうに油然(イウゼン)とおもしろい趣味といふ者が胸に湧いて来るが」 〔孟子‐梁恵王・上〕
② 気に留めないさま。意に介さないさま。のびのびとしたさま。
語孟字義(1705)下「油然靄然、毎事必務寛宥、不刻薄上レ之」 〔蘇軾‐留侯論〕

ゆ‐ぜん【油然】

〘形動タリ〙 雲がさかんに起こるさま。また、ある思いや感情が突き上げるように起こるさま。ゆうぜん。
太平記(14C後)一二「其後湿雲油然(ユゼン)として雨を降らす事国土に普し」
※国会論(1888)〈中江兆民〉「全国人心愛国忠民の志油然(ユゼン)として起り勃然として発して」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

普及版 字通 「油然」の読み・字形・画数・意味

【油然】ゆう(いう)ぜん

盛んなさま。また、気にとめぬさま。〔荘子、知北遊〕天下、沈せざる(な)く、身故ならず。~然としてぶるが(ごと)くにして存し、油然として形(あら)はれずしてなり。物畜(やしな)はれて知らず。此れを之れ本根と謂ふ。

字通「油」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android