河津町(読み)カワヅチョウ

デジタル大辞泉 「河津町」の意味・読み・例文・類語

かわづ‐ちょう〔かはづチヤウ〕【河津町】

河津

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日本歴史地名大系 「河津町」の解説

河津町
かわづちよう

面積:一〇〇・七九平方キロ

伊豆東海岸やや南寄り、賀茂郡の北東部に位置する。北西部は険阻な天城あまぎ山系が連なり、北は天城湯あまぎゆしま町、西はさる(九九九・八メートル)十郎左じゆうろうざもん(九五三メートル)などを境に西伊豆町・松崎まつざき町、南は下田市、東は三筋みすじ(八二二メートル)大峰おおみね(四九二メートル)を境に東伊豆町・相模灘に接する。町のほぼ中央を河津川が南東流し、その流域と支流域を中心に集落がある。東海岸沿いを国道一三五号が、また山間部を南北に現在の天城越の道路である国道四一四号が通る。鉄道は伊東と下田を結ぶ伊豆急行線が町の南東部を走る。平城宮跡から発見された天平二年(七三〇)から同八年の間の木簡には「賀茂郡川津郷」と記され、調として荒カツオを貢納していた(「平城宮木簡」三―三〇六九など)。これらによると郷内に湯田ゆた里・賀美里・賀茂里・神竹里があった。当時の川津郷の範囲は、現在の河津町を中心に東伊豆町と下田市の一部も含まれていたと推定される。谷津やつには奈良時代に創建されたといわれる那蘭陀ならんだ寺があったが、山崩れにより埋没してしまったという。現在は付近の寺堂に平安時代の仏像・神像二六体が安置されている(河津町の寺院)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「河津町」の意味・わかりやすい解説

河津〔町〕
かわづ

静岡県東部,伊豆半島南東部にある町。 1958年上河津村と下河津村が合体して町制。河津川流域を占め,江戸中期以降,天城山林開発の拠点として,また縄地金山で繁栄。第2次世界大戦後,山麓ではワサビ,河津川の沖積地では温泉熱と暖かい気候を利用してカーネーション,ミカンの栽培,沿岸では漁業が行なわれる。河津七滝,湯ヶ野,峰,谷津などの河津温泉郷,海岸の河津浜や今井浜などの温泉,景勝地,曾我兄弟の父河津三郎祐泰をまつる河津神社や徳川家康の愛妾お万の方の生家などの旧跡,名所が多い。特に早咲き河津桜が有名。新町の大ソテツ,杉桙別命神社の大クス,ナチシダ自生北限地はいずれも天然記念物。伊豆諸島への海底ケーブルの起点。町域の一部は富士箱根伊豆国立公園に属する。海岸部を伊豆急行,国道 135号線が通じる。面積 100.69km2。人口 6870(2020)。

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