河合小市(読み)かわいこいち

日本大百科全書(ニッポニカ) 「河合小市」の意味・わかりやすい解説

河合小市
かわいこいち
(1886―1955)

楽器製作技術者。江戸時代から続いた浜松車大工「するがや」の子に生まれる。11歳で山葉(やまは)風琴製造所に入所し、日本初のオルガン完成させた山葉寅楠(とらくす)とともに、楽器製造技術の開発に力を尽くした。ピアノ国産化における最大課題であったアクション(打弦機構)を、14歳のとき独学で完成したのをはじめ、楽器産業発展に大きく貢献した。1927年(昭和2)河合楽器研究所(現河合楽器製作所)を創設した。

[佐藤農人]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「河合小市」の解説

河合小市 かわい-こいち

1886-1955 昭和時代実業家
明治19年1月5日生まれ。山葉寅楠(とらくす)の山葉風琴製造所(現ヤマハ)で楽器製造の技術開発従事。14歳のときピアノ国産化の課題だった打弦機構を完成。昭和2年河合楽器研究所(現河合楽器製作所)を設立し,ピアノ,オルガンなどの製造をはじめた。昭和30年10月5日死去。69歳。静岡県出身。

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世界大百科事典(旧版)内の河合小市の言及

【ピアノ】より

…この方面で貢献した人々にはこのほか,山葉直吉,松本新吉,松本広,福島琢郎,小野ピアノの小野好,そして第2次大戦後に独立工房を開いた大橋幡厳らがいる。また河合小市は1927年に河合楽器研究所(現,河合楽器製作所)を創立してただちにアップライト・ピアノ,グランド・ピアノの製造を開始,同社は現在でもヤマハに次ぐ生産規模を誇っている。大戦末期は製造が中止されたが,戦後すぐに大小の会社が林立し,まもなく戦前をしのぐ活況を呈した。…

※「河合小市」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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