河北新道教(読み)かほくしんどうきょう

世界大百科事典(旧版)内の河北新道教の言及

【道教】より

… なお,全真教の成立した金・元時代の河北ではまた,劉徳仁による大道教(のちに〈真〉字を加えて真大道教),蕭抱珍による太一教(道)などが創立され,全真教と同じく庶民社会に信徒を獲得し,三教一致の平易な実践倫理を説いた(三教一致論)。しかし,これらのいわゆる河北新道教は,神学教理もしくは思想哲学としては,《雲笈七籤》における道教のそれとまったく異質ではなく,前者がその重層構造のなかに立体的に組み込んでいた〈道の教〉としての仏教と儒教とを三教一致という形で並列化し,平面化し,もしくは簡略化してきている。全真教が重視する《般若心経》や達磨の禅教や《孝経》《中庸》などの儒教経典にしても,これらはすでに《雲笈七籤》における道教の神学教理のなかに取り入れられており,それらを庶民社会の宗教的な実践倫理として簡素化し,単純化しているのである。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」