没・歿(読み)ぼっする

精選版 日本国語大辞典 「没・歿」の意味・読み・例文・類語

ぼっ‐・する【没・歿】

[1] 〘自サ変〙 ぼっ・す 〘自サ変〙
① 沈む。はいる。
※日本書紀桃源抄(15C後)「雲州は日すみの宮と云て日没する方、亥の方ぞ」
② 隠れる。見えなくなる。
※土(1910)〈長塚節〉五「小作米のことは其の念頭から没し去ることはなかった」
③ (「歿」とも書く) 死ぬ。果てる。
海道記(1223頃)蒲原より木瀬川「都の外の荒々たる野原の旅の道、没せし時はいまだしき時なり」
④ 滅びる。
闕所(けっしょ)になる。
[2] 〘他サ変〙 ぼっ・す 〘他サ変〙
① 沈める。うずめる。中に入れる。
※西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉一三「或時河水俄に溢れ出、家屋田地、尽くこれが為に没せられ」
② 隠す。見えなくする。無いようにする。
虞美人草(1907)〈夏目漱石〉一四「気の毒とは自我を没(ボッ)した言葉である」
③ とりあげる。没収する。また、滅ぼす。
史記抄(1477)一九「さなければ欲に身を没するぞ」
江戸繁昌記(1832‐36)三「其の他、穀を占むる、今亦並に没せらるると」
④ 闕所とする。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android