沈鬱(読み)ちんうつ

精選版 日本国語大辞典 「沈鬱」の意味・読み・例文・類語

ちん‐うつ【沈鬱】

〘名〙 (形動) 気がめいりふさぎこむこと。また、そのさま。
※淡窓詩話(19C中)上「杜が沈鬱とは何れの処か是れ沈鬱、其他何れの処か是れ高古」
油地獄(1891)〈斎藤緑雨〉一五「それだけ、内に沈鬱(チンウツ)することの倍々多きを加へた」
百物語(1911)〈森鴎外〉「沈鬱(チンウツ)人物であらうとは、決して思ってゐなかった」 〔韋応物‐善福閣対雨寄李儋幼遐詩〕

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デジタル大辞泉 「沈鬱」の意味・読み・例文・類語

ちん‐うつ【沈鬱】

[名・形動]気分がしずみ、ふさぎこむこと。また、そのさま。「沈鬱な表情」
[派生]ちんうつさ[名]
[類語]憂愁憂鬱メランコリー気鬱気塞ぎ鬱鬱陰鬱暗鬱鬱屈鬱結鬱気鬱悶鬱積抑鬱憂さ鬱陶しい物憂いびんびんせつせつ痛切切実深刻ひしひしつくづくしみじみじいん心から哀切哀れ悲しい物悲しいうら悲しいせつないつらい痛ましい悲愴悲痛悲傷沈痛苦しい憂い耐えがたいしんどい苦痛やりきれないたまらないる瀬ない断腸の思い胸を痛める胸が痛む胸が塞がるけだるいアンニュイ胸が裂ける胸が張り裂ける胸がつかえる胸が潰れる胸がつまる気を重苦しい滅入る気遣わしい塞ぐ塞ぎ込む消沈しょげるしょげ返る沈む悶悶もんもん

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普及版 字通 「沈鬱」の読み・字形・画数・意味

【沈鬱】ちんうつ

思念の深いこと。漢・劉揚雄に与へて方言を求むる書〕子雲(揚雄)澹の才、沈鬱の思ひに非ずんば、經年、以て此の書をすこと能はず。良(まこと)にめたりと爲す。

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